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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ぎふ水琴亭 @岐阜県岐阜市

2020年06月22日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市を代表する料亭のひとつ、元治元年(1864)創業の「水琴亭」。元々は伊奈波神社境内で営業し、昭和4年に明治を代表する芸術家、岐阜市出身の「原三渓(富太郎)」によって現在の場所に移築されたのだとか。横浜にある「三渓園」で有名な原三渓(当時の新進芸術家のパトロンでもあった)が岐阜市出身だとは知らなかった。昨年先代女将が亡くなった後に運営が市内の会社に引き継がれ、「ぎふ水琴亭」として料理店として生まれ変わったとは何かの記事で知ったのだが、慶事が無くとも昼食がいただけると知って嫁を誘って行ってみることに。前日に電話で予約を入れておいた。

当日は生憎の雨模様。表の黒塀の中にも車が停められるみたいだが、玄関先の砂利の上に車を乗り入れるのも無粋なので裏の駐車場に車を停め、傘をさして歩いて表に回った。予定の時間に玄関先で待っていると奥から洋服の仲居が案内してくれた。靴を脱いで上がり、長い廊下を通って庭に面した部屋へ。個室という訳ではなかったがその部屋には自分達だけだったので個室同然。数寄屋造りの建物は選りすぐりの材料と大工の腕を駆使して造られたものだそう。昔のままの歪んだガラスの先に見える庭は、新緑が雨で濡れとても綺麗だった。沙羅双樹 (さらそうじゅ)や無花果(いちじく)、紅葉などが植えてある。秋もいいだろうなァ。

 

席に腰かけ「おまかせミニ懐石コース」が始まる。簡易な昼食なので盆の上に様々な品が全て揃っている。ご飯だけは鯛めしをその場で炊くようで、後ろの卓の上の小さな土釜に火が点けられた。よもぎ豆腐、アスパラ肉巻きサラダ、幽庵焼(サーモン)、夏野菜の冷製茶碗蒸し、真薯(稚鮎)、天麩羅(海老、白魚、南瓜)などが洒落た器に盛られて並ぶ。給仕は案内をしてくれた女性とお運びの若い女性の2人のみ。最初に飲み物を訊いてくれなかったのでこちらから酒を所望。「長良川」(純米)をぬるめに燗してもらう。酒が届くまで料理に箸をつけるのはお預け(何しろ廊下が長くて届くまでに時間が・笑)。酒は1本だけにしておいて、それぞれの料理をゆっくりといただいた。蓋を揺らすなかなか豪快な音が消え、鯛めしが炊き上がったようだ。茶碗によそってそのまま、あるいは出汁をかけて茶漬けにしていただいた。最後は桃のシャーベットで了。

食後に仲居に尋ねると、そこかしこに反映された原三渓による意匠などを説明してくれた。欄間の透かしは彼が題材としてよく取り上げたという”雪・月・花”(写真下1枚目)、襖の引手は”琴柱(ことじ)”(写真下2枚目・※琴の弦を支えているところ)がモチーフなのだとか。残念ながら奥の間2階にあるという原三渓の手によって書かれた襖絵は客が居るという事で見ることは叶わなかったが、これも運が良ければ見せてもらえそうだ。こういう場所に来た時は少しでも建物を愛でられるように用が無くても手洗いを借りる事にしているのだが、手洗いのタイル装飾も凝っていてなかなか素敵だった。

 

静かな場所で(隣の間の話し声はもちろん聞こえてきたが)、庭の緑を眺めながらゆっくりと食事が出来、自分にとっては歴史ある建物を直に感じることが出来るというとても贅沢な昼食時間だった(部屋にはちょっとベタな琴の音楽が流されていたが、あれは要らないナ)。季節が変わったら料理も変わるだろうから、また機をみて訪ねてみよう。(勘定は¥7,000程)

 

 

 

 

 

 

ぎふ水琴亭

岐阜県岐阜市米屋町27−2

 

( 岐阜 ぎふ すいきんてい ぎふすいきんてい 水琴亭 料亭 日本料理 岐阜市最古 ランチ ミニ懐石 近代建築 御鮨街道 はらさんけい )

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更科 (5) @岐阜県岐阜市

2020年05月31日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

気候の良いこの時期、普段の年なら岐阜市京町の「更科」は県外からの客で溢れ返って駐車場の空き待ちの車列さえ出来る程だろうが、コロナ禍中ではどうなんだろうと興味本位で寄ってみた(訪問GW連休中)。店の前まで来ると、暖簾は掛かっていて戸が開け放たれている。駐車場も空きが多く、この大人気店でさえ大きな影響を受けているのが分かる(近年が異常だとも言えるが…)。店先に”持ち帰り営業のみ”と貼紙がしてあったので買っていくことにした。店の中を覗くと間を開けながら5名程の列が出来ている。圧倒的というか100%の確率で「冷やしたぬき」の注文(笑)。普通に品書きが置いてあったので何でも注文出来るようだが、作業手順を狂わせるような気がしたので日和って(苦笑)看板娘のドキンちゃんに「冷やしたぬき」の並をお願いした。レジで勘定してもらい、横の出入口から外に出る。さすがにこの状況でも後客はポツポツとやって来て、間を開けながら列を作り始めた。

車に持ち帰り、とある場所まで移動して封を開けた(写真下1枚目)。丼ぶり型のパックにそばが入り、刻みネギと揚げがのっていて、つゆと揚げ玉、山葵は別になっている。蓋を開けて揚げ玉を散らし、つゆを回しかける。練りわさびを絞り出し端に擦り付ける。さっきとは言ってもすでに15分以上経っているのでそばは少々ダマになっている。つゆでほぐしながら手繰った。元々こちらの麺は瑞々しいタイプではなくモサッとしているので食感はさほど変わらない。テイクアウトにぴったりの品と言えるかも(笑)。濃くて甘めのつゆを絡めながら啜るが、飲み物を買うのを忘れたので胸につっかえそうになりながらいただいた。いつもはたっぷりと使えるわさびが、このパックではちょっと足りないナ。緊急事態宣言も解除されたので、次は店内で。(勘定は¥720)

以前の記事はこちら (1)(2)(3)(4

この後の記事はこちら (6)(7

 

信州そば 更科

岐阜県岐阜市京町3-4

 

( 岐阜 ぎふ さらしな そば更科 冷したぬき ひやしたぬき 冷やしたぬき 天かす 蕎麦 そば ソバ ソウルフード テイクアウト 持ち帰り 新型コロナウイルス ) 

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兎月園 (2) @岐阜県羽島市

2020年05月30日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜県羽島市の古い通りにある和菓子屋「兎月園」へ。近くにある「竹鼻別院」の藤棚のフジの花(樹齢300年以上・県指定天然記念物)には残念ながら間に合わなかったが、名物の「みそぎ団子」には間に合った。「みそぎ団子」とは、小倉あんを団子で包み、味噌をつけて焼いた団子。どれくらい歴史のある食べ物なのか分からないが、この地域で「みそぎ神事」や祭りの際に食べられているものなのだとか。以前から食べてみたかったが、春~夏季のみの販売で食べそびれていた。ふだん食べ過ぎなので”禊(みそぎ)”をしないと、と訪問を決め(笑)、雨のそぼ降るある日曜日に車で店へ。店に入ると香ばしい味噌の焼ける匂いが漂っている。その場で焼いてくれるようだ。すぐに食べる分と持ち帰る分をお願いして焼き上がりを待った。

勘定して車に戻る。さっそく車中で1本取り出した。香ばしくていい匂いだなァ。二股に割かれた竹串に2個刺さった団子には味噌(もちろん赤味噌)が塗られて焼かれ、胡麻が振られている。もちっとした軟らかい皮の中にはこし餡。外はいわばあまり甘くない五平餅のような風味なので、外の焼けた味噌の辛さと中の餡(しかも滑らかなこし餡)の甘さに頭がなかなかついていかない(笑)。知ってはいたけれど混乱したまま1本食べ終えてしまった。家に持ち帰って嫁の分を取り出す。”少し温めて”と書いてあったので軽く電子レンジで温め、トースターで表面を炙ってからお茶と差し出した。食べた嫁はとても気に入った様子で混乱はしないようだ(笑)。自分も2本目はちょっと慣れたかも。嫁はまた食べたいというのでまた買いに走らないといけないナ。(勘定は¥184/本)

以前の記事はこちら

 

 


 

↓ ル・コルビュジエに師事した地元の巨匠建築家、坂倉準三の設計による「羽島市役所・本庁舎」(昭和34年・1959・建造)。日本建築学会賞も受賞している建物。老朽化が進み、現在隣地に新庁舎を建築中。この建物も維持存続には莫大な費用が掛かることから存続が危ぶまれているらしい。

 

 

↓ 以前も立ち寄ったことがある竹鼻街道沿いの「角の京丸屋」(建築詳細不明)。通りに面した店舗(化粧品店)は下見板張りの建物の方で、奥でこのスクラッチタイル壁の建物と繋がっている。

 

 

 

↓ 同じく竹鼻街道沿いの「かめ勘(かめ勘商店)」(建築詳細不明・)は、隣の建物が壊され、格子の奥に隠れた装飾部分が少し見やすくなっていたが、廃業されたもよう。

 

 

 


 

御菓子処 兎月園

岐阜県羽島市竹鼻町2631-1

 

( 羽島 はしま 竹鼻街道 とげつえん 和菓子 みそぎ団子 みそぎだんご あんぱんのお饅頭 大福 苺大福 フルーツ大福 #近代建築 #ル・コルビジェ ) 

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奈良屋本店 (3) @岐阜県岐阜市

2020年05月17日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

ある祝日に岐阜市の創業天保元年(1830)という老舗「奈良屋本店」へ。現在は6代目とのこと。店に入るとその6代目が出ていらした。こちらの名物菓子「都鳥」と「雪たる満」は何度かいただいているので、未食の「かがり焼鮎」を目当てに入ったが、ショーケースに入っていたいくつかの生菓子の中から「松露」、それに籠の中に入っていた「さわらき(柚子入り)」〔ママ〕というのを購入してみた。「かがり焼鮎」は通常箱入りだが、小包装があったのでそれにしておいた。簡易包装にしてもらって家に持ち帰る。

「かがり焼鮎」(写真下)は文字通り鮎の形に焼いた焼菓子。素材は卵黄、寒梅粉、上用粉のみとシンプル。水も一滴も使用していないのだとか。薄紙で包まれた可愛らしい小鮎をつまんでいただくと、中は空洞になっていてカリッと砕ける。じんわりと優しい甘さがやってくる。これは食べ飽きないなァ。こちらの菓子はごくシンプルな物が多いが、しみじみと旨い。

HPより

「松露」はあんこ玉が白い砂糖の衣をまとっているごく小さな生菓子。あんこに砂糖とこちらもシンプル。あんこそのままという感じですごく甘いが、これが思いのほかイイ感じ。抹茶を点てれば良かったなァ…。「さわらき(さわらぎ)」は薄焼きの最中種で柚子餡を挟んである菓子。色砂糖で絵柄が書かれていたが食べたら何だったか忘れてしまった。こんなものもこちらで、と思ったら裏に京都の「鶴正庵」製と書かれていた。調べてみると製造卸の会社だとか。あらら京都の菓子だったか。(勘定は¥500程)

以前の記事はこちらこちら

 

 

御菓子司 奈良屋本店

岐阜県岐阜市今小町18

 

( 岐阜 ぎふ 奈良屋 ならや ならやほんてん 老舗 ゆきだるま 雪だるま 都鳥 みやこどり かがりやきあゆ かゞり焼鮎 しょうろ 松露糖 御菓子司 おんかしつかさ )

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泉屋食堂 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2020年03月29日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

日曜祝日が休みのようだし、(たぶん)駐車場も無いのでなのでなかなか伺う事が出来なかった岐阜駅の南、加納にある食堂「泉屋食堂」にやっと行くことが出来た。たまたま仕事で平日の昼に岐阜駅周辺に居たのでこれ幸いと店へ。今まで何度車でこの店の前まで来て引き返したことか。サンプルケースもある渋い外観の店の暖簾をくぐる。店に入ると左手が調理場、奥に向かってテーブル席が7つ程並んでいた。ご高齢の夫婦でやっていらっしゃる。女将さんが元気な声で「いらっしゃいませっ。」と声を掛けて下さった。主人が給仕、女将さんが調理を担当している模様。店内は年季は入っているものの隅々まで掃除され綺麗に整っている。もうこの時点でベタ惚れだ。壁に掛かった黒札に白文字の品書きの他に卓上にも品書きがあった。麺類、中華そば、丼物、洋食とひと通り揃っている。好物の「オムライス」があったのでお願いした。女将さんの手際良い調理が始まる。

しばらくして出来上がった「オムライス」を主人が運んでくれた。平皿に盛られた「オムライス」はキュッと両端が絞られた綺麗な紡錘形。控えめにケチャップがたらされていて赤い福神漬が添えてある。それ以外にも吸物と(某Y社の物によく似た)乳酸飲料が付いていた。早速スプーンを入れていく。中はチキンの入ったケチャップライス。味付けは控えめ。グリーンピースが沢山入っていた。吸物で口を湿らせながら掻き込んでいく。旨い。あっという間に平らげた。まだもう少し食べたいナと思ったが、麺類を追加すると多過ぎかなと、これまた好物の「ワンタン」を追加。ラーメン鉢になみなみとスープが注がれた「ワンタン」の水面にはチャーシュー2枚、赤縁のカマボコ2枚、メンマ、刻みネギが盛られ、コショウが振られていた。やや濃いめの色をしたスープをレンゲですする。ラーメンスープと同じだろうがちょっとコショウが効き過ぎか。ワンタンをすくっていただく。トゥルンとした舌触りのワンタンが沢山。量もしっかりあるので、これだと麺類をいただいているのと変わらないか…(苦笑)。次は丼物を頂いてみたいナ。(勘定は¥1,220)

※令和3年12月末を以って閉店されたそうです

この後の記事はこちらこちら

 

泉屋食堂

岐阜県岐阜市加納桜道1-8

 

( 岐阜 ぎふ 加納 かのう 泉屋 いずみや いずみや食堂 大衆食堂 麺類食堂 うどん ラーメン 洋食 雲呑 わんたんスープ 閉店 廃業 )

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つたや (4) @岐阜県各務原市

2020年02月25日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

昼間に知人と仕事上の会合に参加し、金山駅からどこか早くから開いている店に呑みに行こうという話になり、知人が未訪の「つたや」で呑もうということになった。思い付きで電車に飛び乗るも、車中2人で喋りながら過ごしているとどうも外の様子がおかしい。乗り間違えたらしく、自分たちが着いたのは全く違う路線の佐屋駅(←すでに少し酔っていたとはいえ、2人とも間違えるとは…・恥)。辺鄙な駅の反対側のホームで電車を待って来た路線を戻り、犬山線に乗り換えて新鵜沼へ。連絡橋を通ってJR鵜沼駅側に。無事に「つたや」に着いた時にはもう6時を回っていた(←何をやっているんだか・苦笑)。4時からやっている店はもう一段落したようで落ち着いた雰囲気。それでも9割方席は埋まっている。無事並んで腰掛け、やっと瓶ビール(キリンラガー)で乾杯。ここまで長かったー。

すでに珍味(希少な部位)は無くなっていて定番の品しか残っていない様子。「とんやき」「たん」「やきにく(ほほ肉)」「さがり」などをたれでお願いした。焼き方は3代目の若い衆。もうしっかりと焼きを任されているようだ。大きな炎を上げて焼くスタイルに知人も驚いている様子。それぞれが皿に盛られて置かれたが、たれの濃い味でどれも似たような印象になってしまうのは仕方のないところ。話を交わした自分の隣の年配男性は退職して週2で通っているそうだ。羨ましいなァ。自分は酒に切り換え。小さい錫のちろりに注がれたひや酒を何杯もお代わり。どて鍋から「どて」「こんにゃく」「玉子」「ちくわ」なんかを盛ってもらう。しっかりとした濃いめの味噌味。「どて」には肝も挟んである。相変わらず旨い。若い衆や女将さんのどて鍋のつゆの継ぎ足しの様子を見ていると、どう見ても適当にしか見えない目分量。調味料をどばーっと足していくだけに見えるのに、味はしっかりとあの味になるんだからマジックのようだ。「さがり(生姜醤油)」「ねぎま(塩)」「きゅうり(塩)」あたりでさっぱりと味を変え、勘定してもらった。(勘定は¥4,200/人)

以前の記事はこちら (1) (2) (3

とん焼 つたや

岐阜県各務原市鵜沼山崎町3-146-2

 

( 岐阜 ぎふ 鵜沼 うぬま JR鵜沼駅 とん焼き 焼きとん とんやき ホルモン ホルモン焼き 居酒屋 酒場 老舗 名店 炭焼き )

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清楽 (2) @岐阜県岐阜市

2020年02月01日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

ある祝日に、自分の幼少のみぎりの思い出の店「清楽」(創業昭和元年・1926)へ。看板には”うなぎ・とんかつ”と出ているが、今は鰻は扱っていないはず。店に入ると歴史を重ねた店特有の独特の匂いがある。先客は年配の男性常連客が2人。何にしようか迷ったが、そこかしこに「カキフライ」と書いたシールが貼ってあるので気分はそっち方面に。結局カキフライが含まれると目の前に貼り出してあった「ミックスフライ」と、ビール(キリンラガー大瓶)をお願いした。ビールにはキンキンに冷やした銅のカップが用意され、最初は上品な女将さんが注いでくれる。常連客と女将さんの話を聞くともなしに聞いていると、界隈が繁栄していた頃の様子の話に耳がいく。昼はずっと2階まで満席だった頃は従業員も多く、遠くは長良方面まで出前をしていたそう。自分達より先に取引業者が廃業してしまうので大変だとのこと。「それが今では2人ともびっこひいてねェ…」と笑っていらした。

時間差でタネを揚げた「ミックスフライ」が登場。付け合わせは千切りキャベツ。とんかつでも使うこちら独特の酸味強めのソースが皿の端にたらされている。タネは海老フライ、カニクリームコロッケ、唐揚げ、カキフライが1つづつ。ソースを付けながら揚げ物を頬張り、冷たいビールで洗い流す。それぞれのタネの調子はまあまあといったところ。手書きのメニューには”セットメニュー”ともあったので、この後でご飯や味噌汁が用意されるだろうとばかり思っていたが、ビールを呑んでいる場合は単品扱いのようだ。どうかな?なんて思った頃にはもうビールも揚げ物も終盤だったので、催促はせずこれだけにしておいた。ま、大瓶を呑んでいるので本当はこれくらいがちょうどいい。次はやっぱり「とんかつ」を。(勘定は¥1,450)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

 

本店 清楽

岐阜県岐阜市日ノ出町1-4

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 柳ヶ瀬商店街 せいらく 清楽本店 とんかつ ひれかつ カキフライ 老舗 )

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八千代 (2) @岐阜県岐阜市

2020年01月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の柳ヶ瀬商店街の日ノ出町通りにあるお好み焼きの店「八千代」。創業は昭和28年(1953)というから市内でも屈指の歴史がある。以前に近くの「一銭洋食・じゅん」に行った時にこの店を思いだしたので昼間に訪問してみた。両隣の店舗と軒を分け合っている狭小の入口を入ると店内は奥に長く、一番奥が調理場になっている。久しぶりだったが以前と変わらず年配のご夫婦でやっていらっしゃる。先客は数名だったが持ち帰りの注文が沢山入っているらしく、座るなり「時間が掛かりますけど…。」と女将さんからことわりが入った。構わない旨を伝えて「お好み焼き・並み」(=2枚)を注文。こちらは1枚からでも注文出来るが、通常通り2枚でお願いした。

スチロールの器に並べられた持ち帰り用の「お好み焼き」がビニール、緑色の薄紙で包まれて何個も袋に入れられていく。しばらく待って自分の分が出来上がったのは20分後くらいだったろうか。自分の後から来た客には「30分以上かかります。」と伝えていた。平皿に盛られた「お好み焼き」は、薄焼きタイプで3つ折りのものが2つ並んでいる。席に置いてあった記事の切り抜きからすると、具材はキャベツ、ねぎ、魚粉、紅生姜、天かすのみ。味付きで調理されたものが、しっかりめに焼かれた皮でくるまれている。見かけはクレープのよう。硬めの皮に箸をつけると中の具材はとろっとしていて旨い。皮の表面にはサラッとしたソースが薄く塗られているが、中身も含めて味付けは控えめなので、途中で卓上のソースを少し足したりして2枚とも平らげた。これビールのつまみにしたいなァ。あ、それでみんな持ち帰りなのかナ?(←多分違う)。(勘定は¥540)

以前の記事はこちら

この後の記事はこちら

 

八千代

岐阜県岐阜市日ノ出町2-16

 

( 岐阜 ぎふ やながせ 日ノ出町商店街 ひのでまち やちよ おこのみやき お好み焼 やきそば 焼きそば 焼そば 薄焼き うす焼き 一銭洋食 )

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かまた @岐阜県岐阜市 (3)

2019年12月26日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

この日は仕事関係の用事がありある場所に向かっていた。のんびり某市バスで向かっていたら急遽車両が不調になり完全にストップするトラブル(こんなことあるんだ…)。代車が来るまで車内に閉じ込められることに(苦笑)。1時間程余裕を見ていたので昼食を摂ってから仕事先へと思っていたのに、思わぬアクシデントで時間が厳しくなった。目的地行きのバスの数は限られているのでタクシーに乗ろうかと考えていたところ、バス停のすぐ前に洋食・喫茶の「かまた」があるのを思い出す。折角外に出ているので出来ればコンビニとかでなく自分の好きな店で食べたいし、30分で食事を終えれば目的地行きのバスにギリギリ乗れるかなァとバス停で降り、店のドアを開ける。昼時とあってほぼ満席。1つだけ空いていたので座らせてもらう。先客を眺めるとまだ料理の出ていない人もちらほら。やっちゃったかなと思いつつ、早く出そうなものをと「カレーライス」を注文した。ただ自分のカレーだけ早く出てくるはずもなく、ひとりソワソワ。

もうタクシーだなと諦めかけた頃、まず胡麻ドレッシングがかかったミニサラダと福神漬が置かれ、その後に店のマーク入りの白い深皿に入った「カレーライス」が運ばれた。ライスに少しかかっている緑はドライパセリかな。カレーの上には生クリームがさりげなくたらされている。こういうところがちょっとその辺の食堂と違うところ。昔からそうなのかな。カレーはビーフで、濃い色合いのいわゆる”欧風カレー”。急いでスプーンを入れていく。程良い辛さと香りがありとても旨い。ここは何を食べても旨いなァ。ライスの炊き具合も少し硬めでカレーとよく合っている。熱々のところを高速で掻き込んでいく。普段から早喰いだが、この日は更に早く食事を終え、勘定してもらった。店のドアを開けるとちょうど乗る予定のバスが向こうから走ってくるのが見え…、ヨカッタ。(勘定は¥730)

以前の記事はこちら (1)(2

この後の記事はこちら (4)(5)(6

旧店舗の記事はこちら (1)(2

洋食喫茶 かまた

岐阜県岐阜市神田町6-16

 

( 岐阜 ぎふ かまた レストランかまた コーヒーかまた 喫茶かまた 老舗 移転 洋食 オムライス 玉子サンド 厚焼き玉子サンド 珈琲 喫茶 ランチ カレーライス )

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麩兵 (3) @岐阜県岐阜市

2019年11月03日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の御鮨街道(かつて長良川で獲れた鮎を使った熟れ鮨を江戸に献上したといわれる街道)沿いにある麩・湯葉の専門店「麩兵」へ。創業は天保7年(1836)。大好きで時々寄ってはいるが、店舗が日曜休みだし、要冷蔵なのであまり頻繁に買うことが出来ないのが残念。この日は祝日で開いていたので酒のつまみを買って帰ろうと覗いてみた。ガラスショーケースの中には様々な種類の生麩や湯葉、加工品が並んでいる。この日購入したのは「利休麩」と、お気に入りの「よもぎ生麩」。勘定をしてもらったら「”おから”お使いになりますか?」と言われたので有難く頂戴した。

「利休麩」は麩の醤油漬け。油で揚げてあるのだそう。そのままカットして山葵をちょこんとのせいただく。見た目から粘度があるのかなと思いきや、口当たりは意外とあっさり。醤油味は中まで滲みていて旨い。この日は戴いた伏見の某純米大吟醸酒と合わせたが、ちょっと綺麗過ぎて「利休麩」の味が勝ってしまったかな。「よもぎ生麩」はオリーブオイルと少量の塩でソテーしてみた。これは安い白ワインで。よもぎは言わばハーブなので、ちょうどいい感じ。バターでもいい。貰ったおからで卯の花を作った。具材は人参、葱、揚げ、戻し椎茸。”無限つまみ”で酒量が上がってしまう…。(勘定失念)

以前の記事はこちらこちら

 


 

↓ 来る度に写真を撮ってしまう「旧・石原美術(旧・日下部合資会社事務所)」(大正2年・1912・建造)。入口から中を覗いたが、もう使われなくなってしまったようだ。

 

 

 

 


 

麩兵 

岐阜県岐阜市米屋町15

 

( 岐阜 ぎふ 鮎鮨街道 ふひょう ふ あわ麩 粟麩 酒肴 老舗 近代建築 マンサード屋根 都市景観重要建築物 )

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