河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

加納先生の論文がScientific Reportsに採択

2019-07-30 | 大学
加納先生が過去10年間行ってきた研究成果をNatureに投稿していたのがもう少しのところでリジェクトされ、その際つけられていたコメントをを元に書き直して再投稿していた論文が今回Scientific Reportsに採択された。

C-SH2 point mutation converts p85β regulatory subunit of phosphoinositide 3-kinase to an anti-aging gene
Yoshio Kano, Fukumi Hiragami, Hirotoshi Motoda, Junichi Akiyama, Yoshihisa Koike, Yutaka Gomita, Shigeki Inoue, Akihiko Kawaura, Tomohisa Furuta, and Kenji Kawamura

Scientific Reportsについて下記のような記述を見つけた。
Scientific ReportsはNature誌が2011年に創刊したオープンアクセス(OA)の姉妹誌とのことである。

大隅典子の仙台通信
学術雑誌の行方

2018年 12月 31日


商業誌はさらに営利を得るための手段として論文掲載料(Article Processing Charge, APC)に目をつけました。この背景として先に、雑誌のオープンアクセス(OA)を推進する非営利団体ができたことを先に説明する必要があるでしょう。生命科学分野では、その最初はPublic Library of Science(PLoS)というNPOがPLoS Biologyというタイトルを設立したのが2003年10月のことでした。この電子ジャーナルは、人類が智を共有するための手段として、論文を発表する研究者がAPCを支払うことによって成り立っており、図書館は購読料を支払うことなく、研究者はOA論文を掲載することができ、読者は論文にアクセスすることが可能となる訳です。つまり、営利目的ではなく、皆がwin-winになることを目指している訳です。

PLoSのこのコンセプトは好意的に受け入れられ、2005年時点のPLoS BiologyのIFは14.672となりました。遅れて、やや軽めの論文を掲載できる雑誌としてPLoS ONEというタイトルが創刊されたのが2006年12月。2010年のIFが4.441でした。査読プロセスの間に査読者と意見が異なると論文がリジェクトされるということがありますが、PLoS ONEでは、得られたデータが科学的に正しい手順を踏んでいれば、基本的に掲載可能という方針を強く打ち出している点に特徴があります。

これに大手出版社が目をつけました。Nature誌は、OAの姉妹誌として2010年よりNature Communicationという総合誌を創刊しましたが、さらに2011年からScientific Reportsというタイトルを創刊しました。こちらは現在、IFのスコアとしてPLoS ONEを抜いており(4.122)、実は日本でもっとも論文数の多い電子ジャーナルとなっています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第43回岡山スポーツ医科学... | トップ | スマホでフィッシング詐欺に... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

大学」カテゴリの最新記事