河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

産業医研修会とメンタルヘルスと微分積分

2011-06-09 | 医学・医療
5年間のうちに20単位取得しないと日本医師会認定産業医の資格は更新できない。
もう面倒だからどうでもいいと思っていたところ、新学長から産業医の資格が必要だからと言われて単位をそろえるために研修会に参加し始めた。
更新期限は来年の10月5日なのであと1年と少しである。

今日も夜に岡山労災病院で産業医研修会が行われる。
テーマは引き続き「職場におけるメンタル対応」である。

先月、この研修会を受けた後、私のよく知っている方でメンタルに体調を崩された方がいる。
現代社会は体はあまり動かさない一方で、精神的には本人に自覚があるかどうかにかかわらず、かなりのストレスがかかっているので、誰でもメンタルに病む可能性はある。

特に今年3月に発生した未曾有の大地震の様子を毎日のようにテレビなどで見せつけられては誰でも先行きに不安を覚えるだろう。
さらに福島の原発問題は現在進行中である。

世の中不景気で、病院や大学も倒産する時代である。
気にし始めると将来を楽観できる要素は何もない。

私はこんな不安定な世の中では、最低限の取れる対策を取ったら後は気にしないことにしている。
病院で不安そうにしている患者さんにも同じことを言う。

「先々に起こるかもしれないことを気に病む必要はありません。気にしてどうにかなるなら思いっきり気にしたらいいですが、いろいろ心配しても何も変わりません。気楽に行きましょう。」

整形外科だから言えることなのかもしれないが、私は自分にもいつもそう言い聞かせている。

あまり取り越し苦労をして鬱病にでもなったら大変だ。
心配してもどうにもならないことは忘れて、夜はしっかり睡眠を取るよう心がけている。



メンタルに病む人は微分的感覚に優れていると昔本で読んだ記憶がある。
微分的感覚というのは世の中の変化を鋭敏に捉える感覚のことである。
移動距離を微分すると速度、速度を微分すると加速度になる。
要するに微分とは変化率のことである。
微分的感覚に優れた人は、世の中がだんだん悪くなりそうだという時には鋭敏にその変化を感じる。
そうした人は普通の人よりもメンタルに大きなダメージを受けるのである。



私はどちらかというと普通か積分的感覚に優れた人間だと思う。
積分的感覚とはこつことと実績を積み上げて成果を得ることを考えることである。
気にしても仕方がないことは忘れて、今できることに集中する。
だめならだめでそれは仕方がないと潔く諦める。

そういう考え方ができる限りはメンタルには大丈夫ではないかと思っている。
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