河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

大学がSDGsに取り組む意義とは何か

2020-09-24 | 大学
9月15日に岡山県立大学で行われた大学コンソーシアム岡山 令和2年度 第30回代表者会議に学長代理で出席した。

その中で、SDGsに関わる報告や説明が複数あった。

まず、鵜崎副会長(美作大学 学長)より、以下の説明があった。
・コンソーシアムはSDGsを推進しているが、各大学が力を合わせて知性を持って解決し、地域人材を育てるコンセンサスを目指すことにおいては合致していると認識している。
・今期は、県民が時代を背負う若者に求める具体的な教育研究課題であり、発信力を学生に落とし込んでいくためにコンソーシアムの活動を相加し、スクラップビルドで見直していく必要がある。各大学が独自性を持ち建学の理念を損なうことなく多様に進めていき、岡山のどの大学へ行っても人材育成やスキルを身に付けることができる信頼を得られるように存在価値を高めていく。

次いで宮長副会長(岡山経済同友会 代表幹事)より、以下の説明があった。
・岡山経済同友会は2年程前からSDGsを本格的に岡山の経済界に取り込んだ。共同できることを理念に、色んな先生から具体的な事例を指導いただき、また現場を拝見、体験する等の活動を2年間続けた。今年からは実践編として、各企業や経済同友会が産学官として各SDGsを実践しながら連携し地域も巻き込んで、コンソーシアムと同友会がどう関わっていくか議論していきたい。


大学コンソーシアム岡山第30回代表者会議のあとに、岡山経済同友会が作った「地域全体で取り組むSDGs先進県へ」という冊子が送られてきた。

それによると、岡山大学、山陽女子中学・高等学校地歴部が政府のSDGsアワードを受賞、岡山市、真庭市、西粟倉村がSDGs未来都市に選考されており、岡山県はSDGsの取組が全国的に見ても早いのだそうだ。


吉備国際大学はこれまではSDGsとは言わないが、平成2年(1990年)に高梁市と公私協力方式で開学し地域と連携して様々な活動を行ってきた。
平成25-29年度文部科学省地(知)の拠点(COC)整備事業にて、「だれもが役割のある活きいきした地域の創成」事業が採択されて各種の取組を精力的に行ってきた。
大学の将来ビジョンとして「地域創成に実践的に役立つ人材を養成する大学」を掲げ、平成29年度私立大学研究ブランディング事業では、申請188大学中の60大学に選定された実績を持つ。


あらためて、大学がSDGsに取り組む意義とは何かを考えてみたい。

週刊文春の10月1日号にSDGs特集「経営に活かすSDGs講座」が組まれていたので、これを「大学に活かすSDGs講座」と置き換えて読んでみた。

まず、大学にSDGsを取り入れるメリットは以下の通り。
1.大学イメージの向上
2.社会の課題への対応
3.生存戦略になる
4.新たな産学官連携機会の創出

具体的にどのように大学にSDGsを取り入れるのか。

導入の指針になる「SDGコンパス」

ステップ1:SDGsを理解する。
17の目標と169のターゲットの基本として「5つのP」がある。
 ピープル(人間)
 プロスペリティ(繁栄)
 プラネット(地球)
 ピース(平和)
 パートナーシップ(共働)

ステップ2:17の目標と169のターゲットを並べて自分の大学と紐付けする。

ステップ3:プログラムの目標を決め、できれば数値目標を設定する。

ステップ4:大学運営(カリキュラム)に組み込んでいく

ステップ5:報告とコミュニケーション(社会に発信)

社会に発信するとリアクションが返ってきて連携する仲間が増え、イノベーションが生まれる。

そこでまたステップ2に戻り、新たに優先課題を決めて目標を再設定する。こうしてステップを回していく。

これからはネイティブスピーカーのようにSDGsを使いこなす若い人材が大学現場からどんどん輩出されるようになる。



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