河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

岡山県北の病院が破産

2011-06-05 | 医学・医療
先週末、忙しくてニュースを見逃していたのだが、今日になってある人から病院破産の情報を教えてもらった。

ネットの情報によると、〝2004年ごろから給与への不満などで多くの看護師が退職し、入院患者の受け入れが減ったことなどで経営が悪化した〟とのことである。
この病院のある地域は病院不足で、普通にやっていれば患者数が少ないと言うことはないはずなので、やはり医療スタッフの不足から病床を減らすなどするしかなかったのだろう。
いったん負のスパイラルに陥ったら、なかなか立て直すのは難しい。
結局、12億円の負債を抱えて破産という厳しい現実に直面することになったようだ。

ところが、さらに悲しいのは、破産しても医療過疎の地域であるから診療を打ち切ることは出来ないということだ。
現在入院している40人の患者はそのままで、医師、看護師ら74人の雇用は原則維持し、事業譲渡も視野に入れて診療を続けていくのだそうだ。

ここに至るまでの経営者の苦悩を想像すると気持ちが滅入る。
自分1人が頑張ればどうにかなる問題なら頑張りようもあるが、医療職が少ない県北で、努力しても誰も来てくれないとなるともうお手上げである。
1954年の設立とあるからこれまでずいぶん地域医療には貢献してきただろうに、本当にお気の毒である。

この病院破産の背景には、日本全体の置かれた状況が色濃く影響しているように思う。
もはや、適当にやっていれば病院を経営できた時代は遠い過去のものとなり、情勢を見誤ると倒産する時代なのである。

かつては一世を風靡したJALや東京電力が経営危機に陥る時代なのだから、もう絶対安泰などと言う業種は存在しないのかもしれない。

それにしても、昨今の政治の混迷を見ていると不安な気持ちになるのは私だけだろうか。
コメント
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