マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

エレファント

2008-11-18 12:14:02 | 映画ーDVD
ーエレファントーELEPHANT
2003年 アメリカ
ガス・ヴァン・サント監督
ジョン・ロビンソン(ジョン)アレックス・フロスト(アレックス)エリック・デューレン(エリック)イライアス・マッコネル(イーライ)ジョーダン・テイラー(ジョーダン)ティモシー・ボトムズ(ジョンの父)

【解説】
全米を震撼させたコロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件に衝撃を受けた、『誘う女』のガス・ヴァン・サント監督入魂の問題作。彼は世界に向けて「なぜ?」と問い続ける。素人の高校生の実体験から真実の言葉を引き出した本作は、2003年のカンヌ国際映画祭で史上初のパルム・ドールと監督賞のW受賞という快挙を果たした。“あの事件”の脆くて傷つきやすい少年達の日常がリアルで切ない。静かだが強い衝撃を残す最高傑作だ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
オレゴン州ポートランド郊外の高校。ジョン(ジョン・ロビンソン)はアル中の父親のせいで遅刻し、イーライ(イライアス・マッコネル)はカメラ片手に公園を散歩。いつもと同じ一日のはずだったが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
ガス・ヴァン・サント監督の「パラノイド・パーク」があまりにもわからなかったものだから、評価の高いこの作品を見ることにしました。

タイトルは、盲目の男たちが象を触り、部分的な感触からある者は木、ある者は蛇を連想したが、誰も象の全体像を把握できなかったという仏教の寓話に由来するそうです。

種あかしをすれば、この作品は、全米を震撼させたコロラド州コロンバイン高校の銃撃事件から衝撃を受けて作られたものです。

でも、何も知らずに見ていると、やけに美しい秋の空と、のんびりした高校生活の描写が全編の9割を占めています。

繰り返し繰り返しながれる高校生たちの日常のなかに、ひとりひとりに名前があり、個性があり、悩みがあることが観客にも伝わってきます。

美しいピアノの旋律。
それを奏でている少年の胸の内は誰にもわかりません。
彼は、シューティングゲームを淡々とこなし、宅配ピザでも頼むように銃を何丁も買い、武装して高校へ乗り込みます。
性的な経験のないことも、学校でいじめに遭っていることも描かれていますが、これは重要な情報なのでしょうか?

撃たれる側にも、仲間はずれになっている女子高生がいました。
みんな、高校生なんです。

この作品は「ボーリング・フォー・コロンバイン」のように「なぜ?」とは問いかけません。
もちろん、答えもありません。
観客に問題は丸投げされています。
そこに、この監督の観客への信頼が感じられ、知性の高い作品だと思いました。

こういう事件が起きないように、ひとりひとりが何をすればいいのか、考えるきっかけになる映画の一つだと思いました。


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