ー仕立て屋の恋ーMONSIEUR HIRE
1989年 フランス
パトリス・ルコント監督 ミシェル・ブラン(イール氏)サンドリーヌ・ボネール(アリス)リュック・テュイリエ(エミール)アンドレ・ウィルム(刑事)
【解説】
殺人事件の容疑者として、仕立屋のイールという男が浮かんだ。だが彼こそは、真犯人を知る唯一の人物だった。向かいのアパートに暮らす、アリスという女性をのぞき見しているときに、殺人事件を目撃してしまったのだ。アリスは彼が何処まで知っているかを確かめようと接近してきたが……。(allcinema ONLINE)
【感想】
仕立て屋の恋、この恋は悲しい結末でした。
若い娘が殺された。
容疑者に浮かんだのが、町内の変わり者、仕立て屋のイール氏(ミシェル・ブラン)。
陰気な風貌、中年の独りもの。
刑事(アンドレ・ウィルム)が聞きに来ても愛想が悪い。
イール氏の密かな楽しみ。
迎えのアパートに住むアリス(サンドリーヌ・ボネール)の部屋をのぞき見ること。
アリスには、結婚を望んでいる恋人エミール(リュック・テュイリエ)がいた。
アリスはひょんなことから、イール氏の存在に気が付いた。
アリスはある思惑を持ってイール氏に近づいていく。
☆ネタバレ
殺人事件の真犯人はエミールだった。
あの夜、殺人事件を起こしてしまったエミールはアリスの部屋に来て証拠品を始末した。
それをイール氏に見られたのかどうか?
アリスはそれを確かめたかった。
イール氏にもアリスの魂胆はわかったが、エミールを諦め自分と一緒に故郷に帰ってくれるかどうか、大きな賭けに出た。
その結果は…!?
イール氏には、最悪の結果となった。
しかし、イール氏は一言も弁解せず、悲しい愛の言葉を一言吐いて、死んでいきました。
こういう恋もあると切ない気持ちになりました。
よかった!!
冷静に考えると、覗き見は犯罪だし、覗き見するような男は絶対好きにならない。
でも、こうして名匠ルコントの手にかかり作品となってみると、イール氏の心理の深さと、アリスの残酷さが浮き彫りになっていました。
さすが名作、すごいね!