ー白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々ー
2005年 ドイツ マルク・ローテムント監督 ユリア・イェンチ 、アレクサンダー・ヘルト 、ファビアン・ヒンリヒス 、ヨハンナ・ガストドロフ 、アンドレ・ヘンニック 、フロリアン・シュテッター 、ヨハネス・シューム 、マキシミリアン・ブリュックナー 、リリー・ユング 、ユーグ・フーベ 、ペトラ・ケリング 、フランツ・シュターバー
【解説】
第55回 ベルリン国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した、史実に基づく人間ドラマ。近年新たに発見された尋問記録や関係者の証言を基に、反ナチス運動を展開した「白バラ」メンバーのゾフィー・ショルが逮捕され、5日間という短い尋問の末の判決、処刑に至るまでを描く。監督はドイツの新鋭マルク・ローテムント。主演のユリア・イェンチと、尋問官を演じた『ヒトラー~最後の12日間~』のアレクサンダー・ヘルトの迫真の演技が光る。
【あらすじ】
1943年、反政府組織「白バラ」のメンバーであるゾフィー(ユリア・イェンチ)は、兄とともに大学構内で反戦ビラを配っていたところを逮捕される。厳しい尋問に屈せず信念を貫く彼女に、尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)はある取引を提案するが……。 (シネマトゥデイ)
【感想】
この映画は「ヒトラー~最後の12日間」と並べて見ていただきたい作品です。
たった21歳の女子大生ゾフィー(ユリア・イェンチ)にもわかるヒトラーの狂気を、なぜ当時の人々は見抜けなかったのか?
「この戦争は無駄だから早く止めよう」というビラを作って撒いたという、ただそれだけの罪。
当時のナチスがいかに焦ってヒステリックになっていたかということが証明されただけのような事件です。
しかし、ゾフィーは死の恐怖に立ち向かい、自らの運命を潔く受け入れます。
魂の「自由」のために。
父も母も兄も、立派な行いでした。
尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)とゾフィーの尋問室でのやり取りは、ほんとうにすごい。
ゾフィーの考えは、どんなに誘導されようと、脅されようとぶれることはありません。
なぜなら、彼女が正しいからです。
そして、それは歴史が証明していることを、私たちは知っているから、余計腹立たしい思いで見ていました。
2月21日に起訴をして、その夜に国選弁護人の接見、次の日には裁判、即判決でした。
裁判は史実を忠実に表したというこですが、最初に有罪ありきのひどいものでした。
刑が確定して、両親と別れを告げた後のゾフィーの涙を見ていたモーアの表情。
彼の心も動揺していたに違いないと思いました。
映画は、ゾフィーの揺れる思いも見逃していません。
家族を想って泣いて、恋人を想って泣いて…。
それだけに、あのギロチン台は酷いものでした。
戦争は人間の良心をダメにしてしまいます。
2005年 ドイツ マルク・ローテムント監督 ユリア・イェンチ 、アレクサンダー・ヘルト 、ファビアン・ヒンリヒス 、ヨハンナ・ガストドロフ 、アンドレ・ヘンニック 、フロリアン・シュテッター 、ヨハネス・シューム 、マキシミリアン・ブリュックナー 、リリー・ユング 、ユーグ・フーベ 、ペトラ・ケリング 、フランツ・シュターバー
【解説】
第55回 ベルリン国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した、史実に基づく人間ドラマ。近年新たに発見された尋問記録や関係者の証言を基に、反ナチス運動を展開した「白バラ」メンバーのゾフィー・ショルが逮捕され、5日間という短い尋問の末の判決、処刑に至るまでを描く。監督はドイツの新鋭マルク・ローテムント。主演のユリア・イェンチと、尋問官を演じた『ヒトラー~最後の12日間~』のアレクサンダー・ヘルトの迫真の演技が光る。
【あらすじ】
1943年、反政府組織「白バラ」のメンバーであるゾフィー(ユリア・イェンチ)は、兄とともに大学構内で反戦ビラを配っていたところを逮捕される。厳しい尋問に屈せず信念を貫く彼女に、尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)はある取引を提案するが……。 (シネマトゥデイ)
【感想】
この映画は「ヒトラー~最後の12日間」と並べて見ていただきたい作品です。
たった21歳の女子大生ゾフィー(ユリア・イェンチ)にもわかるヒトラーの狂気を、なぜ当時の人々は見抜けなかったのか?
「この戦争は無駄だから早く止めよう」というビラを作って撒いたという、ただそれだけの罪。
当時のナチスがいかに焦ってヒステリックになっていたかということが証明されただけのような事件です。
しかし、ゾフィーは死の恐怖に立ち向かい、自らの運命を潔く受け入れます。
魂の「自由」のために。
父も母も兄も、立派な行いでした。
尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)とゾフィーの尋問室でのやり取りは、ほんとうにすごい。
ゾフィーの考えは、どんなに誘導されようと、脅されようとぶれることはありません。
なぜなら、彼女が正しいからです。
そして、それは歴史が証明していることを、私たちは知っているから、余計腹立たしい思いで見ていました。
2月21日に起訴をして、その夜に国選弁護人の接見、次の日には裁判、即判決でした。
裁判は史実を忠実に表したというこですが、最初に有罪ありきのひどいものでした。
刑が確定して、両親と別れを告げた後のゾフィーの涙を見ていたモーアの表情。
彼の心も動揺していたに違いないと思いました。
映画は、ゾフィーの揺れる思いも見逃していません。
家族を想って泣いて、恋人を想って泣いて…。
それだけに、あのギロチン台は酷いものでした。
戦争は人間の良心をダメにしてしまいます。
マダムのコメントを見て 是非見なくっちゃと 思い直しましたので 近いうちにDVDを借りたいです・・・。
ユダヤ人たちだけが 迫害されたのではなくドイツ人でも 反対した人はそんな目に逢っていたのですね・・・
日本の憲兵とかも同じようなものだったのかなぁ・・・??
やはり戦争は人間を狂わせる・・・あかんね!
普通だったら、当たり前の意見。
別に過激でも何でもない。
尋問官のモーアもそう言っていました。
これが死刑になるなんて、集団ヒステリーとしか言いようがないわ。
こうなったら、何を言ってもダメなんだけど、でも、冷静に自分の信じるところを述べ続けたゾフィーや兄のハンスは本当に偉いと思いました。
「ヒトラー~」はこれと両極端にある映画です。
見比べて欲しいわ。
日本でも特高(警察)による思想統制がありましたが、人は何が正しいのか、薄々感じていても、信念と自己防衛を無意識下で秤にかけてしまうんだよね。生き延びるために力のない者のする選択。その方がずっと生き易いから、楽だから。そして権力者はそのことを十分に利用して保身に使っている。だから真実を語る者は彼らにとって、その安穏を脅かす許されざる存在。速やかに処分しなければならないわけですよね。そのようにして知られることなく死んでいった多くの犠牲者にも思いを馳せて・・合掌。
まさにそれ、その通りのことが起こったんですね。
日本でも、きっとたくさんあったのでしょうね。
「硫黄島から~」でも、犬を殺せというシーン!
人間の弱さを見せつけられましたね。
ぜひ見てくださいね。
私も敬遠気味でしたが、大丈夫、いい映画でしたよ。
8月は戦争を思う月ですよね。
私も…合掌。
政府はなにをそんなに恐れてるの?って感じだったね。
公開裁判で表沙汰にしたくなかったんでしょうけど、本当にこっそり速やかに処理しちゃって。
最後の処刑シーン、あの演出は余計に想像力を・・・・
かえってグロい映像より怖いかも?
戦争月間・・・最近のおかしなナショナリズムの傾向にも流されないようにしないといけないね~
ギロチンの音が響いて、怖かった。
処刑が決まって連れて行かれた、ギロチンの部屋。
あのショット、すごく残酷に感じました。
みんな見抜けなかったんだろう。
それも戦争の狂気なのかな。
人間の良心なんて簡単に崩れてしまうものなのかしら。
>みんな見抜けなかったんだろう。
それは、いまの私たちにも突きつけられている言葉ですよね。
私たちは見抜けているのか?
いろいろ考えさせられるいい映画でした。