マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

春の雪

2006-09-01 10:11:24 | 映画ーDVD
2005年 日本 行定勲監督 妻夫木聡 、竹内結子 、高岡蒼佑 、スウィニット・パンジャマワット 、アヌチット・サパンポン

【解説】
『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督が、妻夫木聡と竹内結子主演で描く大正時代を舞台にした切ないラブストーリー。三島由紀夫の“豊饒の海”シリーズの第1作「春の雪」を映画化した作品。共演に『パッチギ!』で注目を浴びた高岡蒼佑。本作でもその素朴なキャラクターを生かした演技を見せる。撮影監督に『花様年華』『夏至』のリー・ピンビンを迎え、日本の貴族の華やかな生活を見ごとな映像美で映し出している。

【あらすじ】
侯爵家の子息、松枝清顕(妻夫木聡)と伯爵家の令嬢である綾倉聡子(竹内結子)は幼なじみの仲だったが、聡子はいつしか清顕に想いを寄せるようになっていた。しかし、不器用な清顕はその愛情表現に対してうまく応えることが出来なかった。(以上yahoo映画)

【感想】
はじめは、清顕は三島作品特有の頭でっかちの鼻持ちならないガキだなあ、と思って見ていました、
でも、聡子の描写が始まると、それと対照的な清顕像が具体的になっていって、物語の流れ、顛末も納得できるものになりました。
私はこの作品、とても良かったと思います。

あらすじに、「不器用な清顕はその愛情表現に対してうまく応えることが出来なかった」とありますが、そう見てしまうと、この映画はつまらないものになってしまいます。
清顕は、友人に「完全な男」と評価されますが、自分では全くそうは思っていないのです。聡子にふさわしい男だとは思えない人なんだと思います。
そこに三島の美意識を見て、そんなものをふんと鼻で吹き飛ばしてしまうような、聡子の現実的な行動を評価したいと思いました。

竹内結子が脱がない、性描写が足りない、とのレビューもありましたが、私はあれくらいで十分だったと思います。
そこに焦点が当たりすぎるのも困りますから。
聡子は聡子で潔く責任を取り、清顕もあれが精一杯の愛情表現だったのでしょう。
私は純愛悲恋の映画として成功したと思います。

宇多田ヒカルのエンディング曲は、確かに違和感がありましたね。


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2 コメント

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三島の美学 (杏子)
2006-09-01 20:48:24
劇場で観ようかどうか迷った挙句に止めてしまった作品、尚且つレンタル棚の前でも迷ってまだ手が出なかったけれど・・マダムは合格点?



清顕は自分に対して厳しいというより周囲からある程度の評価を与えられていても自分に自身が持てない男かしらん?



で・・侯爵と伯爵ってどっちが身分が高いの?(笑)

純愛より貴族の暮らしに興味がある私です。
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杏子さんへ (よう)
2006-09-02 09:36:09
私は、少しだけど、三島の考えを知っているからわかった感じがするのよね。

三島を読んでいない人は「清顕」をただの冷徹な男、しかも優柔不断と見るんじゃないかな。

彼は自分に厳しいというより、完璧を求める人間なのね。

私の考えだけど、自分は聡子より身分が低い、あるいは成り上がりの息子、と言ったところが、自分は聡子にふさわしくないと思った理由じゃないかな?

貴族の暮らし、よく描けていると思いました。

鹿鳴館風のたたずまい、これは三島の想像の世界らしいけど、三島原作の「卒塔婆小町」を見に行ったときにも舞踏会が出てきました。

侯爵と伯爵は伯爵が上だと思うけど。

聡子は伯爵令嬢でした。
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