マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ルルドの泉で

2012-09-01 10:16:50 | 映画ーDVD

ールルドの泉でーLOURDES

2009年 オーストリア/フランス/ドイツ

ジェシカ・ハウスナー監督 シルヴィー・テステュー(クリスティーヌ)レア・セドゥー(マリア)ブリュノ・トデスキーニ(クノ)エリナ・レーヴェンソン(セシル)

 

【解説】

Hotel ホテル』などのオーストリアのジェシカ・ハウスナー監督がメガホンを取った驚異の人間ドラマ。世界的に有名な聖地ルルドを舞台に、そこに奇跡を求めて各国から集まる人々が抱える孤独や悩みを鮮明にあぶり出す。不治の病に冒された主人公を演じるのは、『サガン -悲しみよこんにちは-』などのフランスの実力派女優シルヴィー・テステュー。20年ぶりに映画撮影が敢行された聖地で起きる奇跡をめぐる複雑な人間模様に舌を巻く。

 

【あらすじ】

病気が原因で車いすの生活を送っているクリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)は、聖地ルルドへのツアーに参加する。数々の奇跡で知られるカトリックの巡礼地には、心から神業を願う者や観光客などがひしめいていた。マリア(レア・セドゥー)という若いボランティアがクリスティーヌの介護を担当するが、次第にその仕事もおろそかになっていき……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、どう考えたらいいんだろう。

巡礼とは違う気がする。

現世利益、どちらかといったら日本的考えじゃないかなあ?

信じたら(はっきりいってお金よね)、救われる。病気が治る。奇跡が起きる。

 

ルルドはフランスとスペインの国境、ピレーネ山脈のふもとにある、フランス南西部のオート=ピレーネ県の小さな町。

1858年、14歳の少女がマッサビエルの洞窟の前で聖母マリアに遭遇したのが始まりと言われています。

聖母に「泉に行って水を飲むよう」に言われて、洞窟の岩の下を指示され、泉を発見したということです。

この泉に治癒効果があると信じられて、現代まで1億人以上が訪れたと言われていますが、カトリック教会が奇跡と認めたものはわずか67件らしい。

特に直近では10年に1件もないということです。(ウィキペディァより)

 

ルルドの泉に行くツアーがあるみたい。

この作品の主人公のクリスティーヌ(シルヴィー・テステュー)は、多発性硬化症という原因不明の難病で、四肢がマヒしていて、車椅子の生活。

自分で立ったり歩いたり、洋服の着脱もできない状態です。

 

でも、旅行好きみたいで、あちこちに出かけているようです。

「私のようなものは、ルルドの泉を訪ねる旅行くらいしかないわ。本当はローマみたいな、文化芸術を訪ねる旅に行きたいんだけど」と顔見知りの警備の兵士のクノ(ブリュノ・トデスキーニ)に言っていました。

奇跡を期待して参加しているのではなさそうです。

 

ツアーの参加者にはいろんな人がいて、クリスティーヌと同室のおばあさんは、クリスティーヌに同情してか、よく世話を焼いてくれます。

 

中年のおばさんの二人連れは、なかなかシビアなコメントばかり。

このおしゃべりはなかなか面白かった。

 

難病の娘を連れてきている女性は、わらをもすがるという雰囲気です。

 

このツアーを指導している神父も、神の奇跡については曖昧な答えばかり。

ワインを飲んだりしてくつろいでいます。

 

彼らを世話してくれるのは、教会関係のボランティアたち。

でも、クリスティーヌ担当のマリア(レア・セドゥー)は、2、3日もするとクリスティーヌの世話に飽きてきて、クノと親しげです。

 

☆ネタバレ

ツアーも終わりに近づいた頃、責任者のセシル(エリナ・レーヴェンソン)がパーティーの飾り付けの途中で倒れました。

彼女は重い病気だったようです。

彼女のような、信心深くて献身的な人にも、奇跡は起きないんだ…。

 

そして、クリスティーヌが2回目に泉の水を飲んだ次の朝、奇跡が起こったのです。

クリスティーヌが自分で着替えて、車椅子から立ち上がりました。

マリアがクリスティーヌのお部屋に来て、びっくりしていました。

 

ここで、特に感動的なシーンに作らないのがこの作品の面白いところ。

批判的なおばさんたちは、「なんであの子が」とか「また元通りになるんじゃないの?」という感じだし、クリスティーヌも喜びを爆発させるようでもない。

 

でも、山登りにも参加して、クノと二人きりになって話をしたり、お別れパーティーではクノとダンス。

スピーチでは、理想と感謝を語り、それなりに楽しそうでした。

 

でも、ラストは…。

奇跡は数日だけだったんじゃないかなあ。

 

で、何が言いたいのかなあ、ということだけど、私が感じたのは、こんな巡礼地に行くような敬虔なキリスト教信者でも、どこまで神や奇跡を信じているのかなあということでした。

天から降ってくるような奇跡は、たぶん起こらないんだと、みんな知っているんじゃないかなあ。

 

奇跡が起こらないからといって、神がいないとか、神から見放されたいうことではないでしょうが…。

キリスト教徒の人は、この作品をどう見るのかなあ。

 

私はストーリーより、ルルドツアーの観光案内みたいな感じで、きれいな景色や立派な聖堂など、そっちで楽しめました。

ルルドに行った気になれますよ。

 



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