ーペーパーバード幸せは翼に乗ってーPAJAROS DE PAPEL/PAPER BIRDS
2010年 スペイン
エミリオ・アラゴン監督 イマノル・アリアス(ホルヘ)ルイス・オマール(エンリケ)ロジェール・プリンセプ(ミゲル)カルメン・マチ(ロシオ)
【解説】
スペインの国民的芸能一家出身のエミリオ・アラゴンが、初監督を務めた珠玉の感動作。1930年代のスペイン内戦から1940年代の軍事政権下のマドリードを舞台に、厳しい時代を生き抜いた芸人たちの心意気を熱く語る。舞台で芸達者ぶりを披露するのは、『私の秘密の花』のイマノール・アリアスと、『抱擁のかけら』のルイス・オマール。彼らと孤児の少年の交流を通して描かれる、人間としての誇り高き生きざまが深い感動を呼ぶ。
【あらすじ】
喜劇役者のホルヘ(イマノール・アリアス)は、スペイン内戦中に爆撃で妻と息子を失い、その後こつ然と姿を消す。内戦が終結した1年後、マドリードの劇団にふらりと戻って来たホルヘを、相棒のエンリケ(ルイス・オマール)は温かく迎える。ある日、彼らは戦時中両親を失ったミゲル(ロジェール・プリンセプ)という少年と出会い……。(シネマトゥデイ)
【感想】
1936年のスペイン内戦下を舞台に、喜劇役者のホルヘ(イマノール・アリアス)と戦争孤児ミゲル(ロジェール・プリンセプ)の運命を描いています。
作品の冒頭部分で、ホルヘは妻と一人息子をフランコ将軍の爆撃で失います。
そして、姿を消してしまいました。
1年後、ホルヘはふらりと劇団へ顔を出します。
コンビのエンリケ(ルイス・オマール)をはじめ、劇団員は大喜び。
内戦は治まり、フランコ将軍が権力を握っていました。
そして、反抗する人々を逮捕しようと、目を光らせていました。
エンリケは孤児のミゲルをかわいがり、自分たちのチームに入れようとホルヘにも薦めます。
ホルヘは、亡くなった息子を思い出すのか、ミゲルに冷たく当たりますが、どこにも行くところのないミゲルを面倒見ることにしました。
☆ネタバレ
ホルヘも劇団も、フランコ政権に逆らうものがいないかと疑われ、スパイも送り込まれていました。
そんな中、フランコ将軍が劇団を見に来ることに。
劇団員の一人は、ホルヘに「暗殺の絶好の機会だ」と詰め寄ります。
あるとき、ニュース映像でミゲルは自分の母親を発見します。
ホルヘはその女性に会いに行きますが、彼女は戦争のショックで廃人同様になっていました。
「ミゲルを立派な役者にする」とその母親に誓うホルヘ。
そして、とうとうフランコが観劇に来る日、ホルヘは陰謀が進展していることを知りました。
ホルヘたちは危険なスペインを離れブエノスアイレスに亡命しようとしますが…。
現代、アメリカで喜劇人として成功したミゲルの姿がありました。
その挨拶に泣かされます。
「パパと2度だけ呼んだ恩人」ホルヘの話でした。
家族を引き裂く戦争。
犠牲になる子供たち。
ちょっとだけ昔の話ですが、いい作品でした。
戦争の中でも、一番怖いのは疑心暗鬼と陰謀が渦巻く内戦ではないでしょうか?
これも、オススメです。