基本を読む 2 柳宗悦

基本を読む 2 柳宗悦

 

自分の人生を考えると、人生の基本に接するものを読むことが重要になる。老荘思想や鈴木大拙博士の「機心」の話は、そのような例の一つと思っている。しかし老荘思想などは、なかなか読むのが難しい。

 

民芸で知られている柳宗悦は、民芸だけではない側面を持っている。彼の著書に「南無阿弥陀仏」(1986 岩波文庫)と言う本がある。この中には棟方志功作品が載っている。棟方が柳を師と仰ぎ、彼の著書のために彫った作品が載っている。インターネットなどでも棟方のことが紹介されているが、彼が柳を師と仰いでいたことは書かれていない。

 

柳宗悦は「民芸」で知られている。しかし彼の民芸を見る目は、宗教的感性によって裏付けられていることはあまり知られていない。彼は二次大戦の最中に、朝鮮の焼き物について高い評価を与えている。それは後に発行された「南無阿弥陀仏」によって知ることが出来る。この本は、戦後にいち早く時宗の開祖「一遍上人」を紹介したものである。

 

一遍上人の「一遍上人語録、付播州法語集」(1985 岩波文庫)も難しいところもあるが、短編が多く理解できるところもある。人生を考えるには、この様な基本的なものを読む必要がある。

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