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■科学技術ニュース■NEDOとパナソニック、排熱から電気をつくる「熱発電チューブ」の発電検証を開始

2013-03-21 10:25:47 |    エネルギー

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「省エネルギー革新技術開発事業」において、パナソニックは、環境モデル都市・京都市のごみ処理施設である東北部クリーンセンターの排熱を利用した「熱発電チューブ」の発電検証試験を開始する。
 
 熱発電チューブは、熱が伝わりにくい熱電変換材料と、熱が伝わりやすい金属を交互に傾斜して積層した構造により、熱の流れと垂直な方向に電気が流れる現象を利用し、チューブ状に加工した傾斜積層構造体の中にお湯を流す等により、チューブの内側と外側とで温度差をつくり発電するもの。

 同事業では、従来利用されずに捨てられていた低温排熱を有効活用するために、熱発電素子として、これまで主に研究されてきたπ型の素子構造ではなく、熱電変換材料と金属の傾斜積層構造を採用し、熱流と垂直の方向に電流を取り出すことで、シンプルでコンパクトな構成の熱発電ユニットを作製し、工場の温排水などの低温熱源を利便性良く電気に変換することを可能とした。
 
 この熱発電ユニットの開発により、エネルギー・ハーベスティングの実現とともに、低温排熱の有効活用の実現による省エネルギーの推進を目指す。検証場所は、京都市東北部クリーンセンター (所在地:京都市左京区静市市原町1339番地)。

 平成25年度末まで検証試験を実施し、同事業で開発した熱発電ユニットの発電性能の検証を行う。具体的には、ごみ焼却で発生する熱のうち、利用できていない低温域の熱で作り出した温水と、施設内の冷却水を用い、400W/㎥以上の発電量を得ることを目標としている。

 


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