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●科学技術ニュース●富士通とカナダのコーヒア、企業向け生成AIの提供に向けた戦略的パートナーシップを締結し共同開発を開始

2024-07-24 09:50:15 |    人工知能(AI)
 富士通と企業向けAIで実績を有するカナダのコーヒア(Cohere)は、企業の成長や社会課題の解決を支援する生成AIの提供を目指し、企業ニーズを満たす大規模言語モデル(LLM)の開発およびサービス提供に向けた戦略的パートナーシップを締結した。

 同パートナーシップでは、共同開発したLLMを富士通がグローバル市場向けに独占的に提供していくことで合意した。あわせて富士通はコーヒアに出資を行った。

 同パートナーシップに基づき、両社は、コーヒアのLLMをベースとした日本語強化版である 「Takane」(仮称)(高嶺:タカネ)を共同開発する。

 富士通は、セキュリティ面を担保し、プライベート環境で社内データを安心して利活用できるLLMとして、2024年9月より富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」から「Takane」(仮称)を提供開始する予定であり、さらに今後、クラウドベースのオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」やクロスインダストリーで社会課題を解決する事業モデルである「Fujitsu Uvance」のオファリングを通して、より多くのユーザーに最適なサービスとして提供していく。

 このたび両社が共同開発する「Takane」(仮称)は、ハルシネーションを軽減するRAG(検索拡張生成とも呼ばれる、LLMにて学習外の知識を取得して利用する仕組み)の性能を引き出すことを特徴とし、多言語対応で、一から独自のデータを用い学習を行っているため安全性と透明性に優れたCohereの最新LLM「Command R+(コマンドアールプラス)」をベースに、富士通が持つ日本語特化のための追加学習技術やファインチューニング技術と、コーヒアが持つ企業向けに特化するための技術を組み合わせて開発する、日本語能力を強化したLLM。<富士通>

 カナダのコーヒアは、トロントを拠点とする4年目のスタートアップ企業で、対話型AI「Chat GPT」を手がける米オープンAIの対抗馬の1社として注目されている。2022年、オラクル、エヌビディア、セールスフォース・ベンチャーズ、センチネルワンなど多くのベンチャーキャピタルや大手テック企業から評価額20億ドル(約2800億円)で計2億7000万ドル(約375億円)を調達し、傘下の研究組織を通じて101言語に対応した大規模言語モデル(LLM)を提供すると発表した。
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