“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生成AI 真の勝者」(島津 翔著/日経BP)

2024-07-03 10:09:28 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:生成AI 真の勝者

著者:島津 翔

発行:日経BP

 生成AIでもうかるのは誰? 半導体はエヌビディアの一人勝ちが続く? AIが変える地政学って何? AIモデルやクラウドの勢力図はどうなる? 結局、日本企業の勝ち筋って何?? 生成AIブームで勃発した「5つの覇権争い」。その勢力図を正しく分析すれば、日本企業が金脈をつかむ勝ち筋が見えてくる。勝者はOpenAI、エヌビディアだけじゃない──。シリコンバレー駐在記者が革命の最前線を取材し、生成AIの「知られざる勝者」を描く。生成AIで新規事業やサービス企画に関わるビジネスパーソン必読の本格書。【目次】はじめに サクラメントの探鉱者 第1章[AIモデル] 「超知能」は誰の手に、AI乱世の帰結 第2章[AI半導体] 一人勝ちエヌビディア解剖、GPUの死角 第3章[プラットフォーム] クラウド競争軸一変、「3強」の明暗 第4章[国家間競争] 特許で中国圧倒、AI地政学を制する者 第5章[人類 vs. AI] AIゴールドラッシュの勝者と敗者 おわりに 反転する価値
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「Bluetooth無線化講座」(水野剛、清水芳貴、三浦淳著/技術評論社)

2024-07-03 10:09:00 |    通信工学



<新刊情報>



書名:Bluetooth無線化講座~プロが教える基礎・開発ノウハウ・よくあるトラブルと対策~

著者:水野剛、清水芳貴、三浦淳 

発行:技術評論社

 Bluetoothは、スマホやパソコンといった既存デバイスとの無線通信を手軽に実現できる便利な技術。しかしながら、いざBluetoothで無線化することを考えると、「具体的にどうアクションを起こせばいいのかわからない」「アプリをつくったことがない」「ハードをつくるのはたいへん」などのハードルが出てくる。実際にBluetoothを使って開発を始めると、「データ落ちが発生した」「思っていたほど通信距離が伸びなかった」「採用したBluetoothモジュールでは、使いたい標準機能が使えない」などのトラブルが発生することはよくある。開発したものをいよいよ販売する段になっても、「Bluetooth認証の費用が想定外だった」「海外認証が思っていた以上にたいへんだった」などのトラブルは多々ある。同書は、必須の前提知識から解説し、よくあるトラブルをどのように解決するかを学んでいく。これまで,Bluetoothに関するノウハウはメーカーに蓄積され、自社の資産として外部に公開されることがなかった。そんななかで、エンジニアの役に立つように有益な情報をシェアしてきたのが、ムセンコネクトのオウンドメディア「無線化講座」。モジュール選定のポイントや開発ノウハ、アプリ開発のポイントは、長年の経験から得られたムセンコネクトの知恵である。これらを押さえて、Bluetooth化に挑戦してみてほしい。
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●科学技術ニュース●理化学研究所など、トリウム 229 の超低エネルギー原子核励起状態の寿命を決定し「原子核時計」の実現に前進

2024-07-03 10:08:21 |    物理
 理化学研究所(理研)開拓研究本部香取量子計測研究室の山口敦史専任研究員(光量子工学研究センター時空間エンジニアリング研究チーム専任研究員)、香取秀俊主任研究員(光量子工学研究センター時空間エンジニアリング研究チームチームリーダー、東京大学大学院工学系研究科教授)、理研仁科加速器科学研究センター核化学研究開発室の重河優大特別研究員、羽場宏光室長、東北大学先端量子ビーム科学研究センターの菊永英寿准教授、金属材料研究所アルファ放射体実験室の白崎謙次室長、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所和光原子核科学センターの和田道治前センター長らの共同研究グループは、イオントラップに捕獲されたトリウム 229のアイソマー状態の寿命を決定した。

 トリウム 229 の原子核は、エネルギーがわずか 8.3 電子ボルト(eV)の超低エネルギー原子核励起状態(アイソマー状態)を持っており、レーザーで励起できることが大きな特徴。

 この励起状態へレーザーで励起すると「原子核時計」と呼ばれる極めて正確な周波数標準が実現できると期待されている。

 しかし、その実現に不可欠なパラメーターである、イオントラップに捕獲されたトリウム 229 のアイソマー状態の寿命は分かっていなかった。

 今回、共同研究グループは、トリウム 229 イオンを真空中に捕獲する装置を開発した。

 その装置で捕獲したトリウム 229 イオンの集団から、原子核がアイソマー状態にあるイオンを選択的に検出する独自の技術も開発し、アイソマー状態の寿命を決定した。

 この結果は、原子核時計実現に向けた大きな前進であり、原子核時計による基礎物理定数の恒常性の検証といった物理学の根幹に関わる研究への道を開く成果。

 今後は、原子核時計の実現を目指し、二つの大きな段階を達成する必要がある。すなわち、①原子核遷移を励起するためのエネルギー8.3eV(波長 149nm)のレーザーを作製する、②そのレーザーで原子核を励起する、という 2 点。

 これらの段階を数年以内に達成し、原子核時計を実現する計画。原子核時計は、周波数標準としての応用に加え、物理学の根幹に関わる基礎物理定数の恒常性の検証にも有用であると考えられている。基礎物理定数の値は、宇宙の膨張とともに変化している可能性が指摘されている。

 原子核時計は、この変化に対する感度が、既存の原子時計よりも数桁大きいと予想されており、宇宙膨張の謎に迫る研究への応用も期待される。<高エネルギー加速器研究機構(KEK)>
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●科学技術ニュース●鹿島、民間初、自動運転レベル4の運行許可を取得

2024-07-03 10:07:54 |    輸送機器工学
 鹿島とボードリー(BOLDLY)は、羽田みらい開発などと共同で、2020年9月に大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(HICity)内において自動運転レベル2でのバスの定常運行を開始しているが、今回、道路交通法が適用されるHICity内の「道路」において、BOLDLYが運行する自動運転バス「ARMA(アルマ)」を自動運転レベル4で運行する許可を、2024年6月21日に東京都公安委員会から特定自動運行許可を、また、2024年6月26日に東京空港警察署から道路使用許可を取得した。

 民間企業主体の事業において、自動運転レベル4での車両の運行が許可されたのは国内で初めて。
 
 鹿島とBOLDLYは、今後もHICity内における自動運転レベル4での運行実績を積み上げるとともに、将来的にはHICityと羽田空港を結ぶHICity外のルートにおける自動運転サービスの提供を目指す。

 HICity内における自動運転レベル2での定常運行の累計乗車人数は、2024年6月20日時点で68,870人に上る。

 また、HICityと羽田空港を結ぶHICity外のルートでは、将来の自動運転レベル4でのバスの定常運行を見据えて6回の実証実験を行い、知見を蓄積してきた。

 HICity内での定常運行およびHICity外のルートにおける実証実験では、 BOLDLYが提供する遠隔監視システム「Dispatcher」(ディスパッチャー)を使用し、自動運転レベル4でのバス運行を見据えた体制の構築に取り組んできた。
 
 さらに今回、自動運転レベル4でのバスの運行許可取得に向けて関係省庁と具体的な協議を進める過程において、新たに
①緊急車両のサイレン音の検知時に自動停車指示を出すシステムの開発②自動運転バスと「Dispatcher」をつなぐ通信回線の冗長化③LiDARセンサーの追加による障害物の検知範囲拡大④周囲の歩行者などに自動運転のステータス(自動/手動)を伝えるためのディスプレイを設置
 
 これらの取組みの結果、2024年6月26日に、これまでと同じルートで自動運転レベル4にてバスを運行する許可を取得した。

 当面の間は、車内にスタッフ(特定自動運行主任者)を配置し、乗車案内の他、事故発生時の救護などの現場対応や事前に定めたODDを満たさない場合の運転操作などを行う。

 また、茨城県境町にある遠隔監視センターから「Dispatcher」を使用して自動運転バスの監視を行う。

 将来的には、車内にスタッフ(特定自動運行主任者)を配置せずに、遠隔監視者が乗客をサポートする運行体制に移行する予定。(鹿島)
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