“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

◇科学技術書・理工学書<新刊情報>●「イーロン・ショック」(笹本 裕著/文芸春秋)

2024-08-30 09:36:28 |    企業経営



<新刊情報>



書名:イーロン・ショック~元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日~

著者:笹本 裕

発行:文芸春秋

 最強のCOOが語る激動の日々。その時、Twitterに何が起きたのか? 一言で言えば、「破壊」だった―。買収によりTwitter社に走った激震。リストラ、支払い停止、見えない方針。外資系企業を渡り歩いた著者がその時見たものとは?【目次】Chapter1 天才経営者は善か悪か? 私が見たイーロンという男 Chapter2 破壊は予告もなくやってきた Twitter買収の一部始終 Chapter3 私がTwitterジャパンの社長になるまで リクルート、MTV、マイクロソフト Chapter4 イーロン・ショックは他人事ではない AI時代に生き残る働き方 Chapter5 日本に必要な「破壊と創造」 2030年問題にどう立ち向かうか【著者】笹本 裕 1964年タイ・バンコク生まれ。88年獨協大学法学部卒業後、(株)リクルートに入社。2000年MTVジャパン(株)取締役COOに就任、02年同代表取締役社長兼CEOに就任。07年マイクロソフト(株)入社、09年アジア太平洋地域統括責任者に就任。14年Twitter Japan(株)代表取締役に就任。23年同社を退任。24年DAZN JAPAN/ASIA 最高経営責任者/CEOに就任。(株)KADOKAWA、(株)サンリオの社外取締役、ユニークビジョン(株)の経営顧問も務める(2024年8月現在)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「協力ゲームの理論と応用」(菊田健作著/コロナ社)

2024-08-30 09:36:06 |    情報工学



<新刊情報>



書名:協力ゲームの理論と応用

著者:菊田健作

発行:コロナ社(シリーズ 情報科学における確率モデル 11)

 同書は、複数の主体が関わる状況(問題)に対して、主体の協力によって得られた価値を主体間で分配するための考え方の一つである協力ゲーム理論の初等部分について述べたもの。同書では「1章 →2章 →3章 →4章 →7章」が基本コース。1〜4章では、特性関数型協力ゲームとその基本的な解であるコア、シャープレイ値、仁について解説。7章で協力ゲームの応用例を紹介している。同書で紹介している応用例は、古典的なものだが、協力ゲーム理論の応用を検討するときには、特性関数の定義の仕方等の参考になると思う。シャープレイ値と仁は、単一の分配案を与える解であるので、応用上取り扱いやすいかもしれない。協力ゲームとその解の特徴を把握してもらうために数値例や問を用意している。5章は他の解に関する話題を取り上げている。4、5章は著者の関心領域であったので命題等が多くなってしまった。読者の興味によるが、命題の証明は読み飛ばしても差し支えない。一方、証明等も含めて理解を深めたい方には文献として紹介している原論文に目を通すことをお勧めする。6章では、協力ゲームの古典的な解である安定集合(von Neumann-Morgenstern解)に関する話題をピックアップした。非協力ゲームと協力ゲームの関わりに興味のある方は、8章が参考になるかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NEDOとJST、「大学発ベンチャー表彰2024」受賞者を決定

2024-08-30 09:35:34 |    ◆受賞◆
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と科学技術振興機構(JST)が主催する「大学発ベンチャー表彰」は2014年度に開始した制度で、大学などの研究開発成果を活用して起業したベンチャーのうち、今後の活躍が期待される優れた大学発ベンチャーを表彰するとともに、特にその成長に寄与した大学や企業などを表彰する。

 同表彰は、大学などの研究開発成果を用いた起業および起業後の挑戦的な取り組みや、大学や企業などから大学発ベンチャーへの支援などをより一層促進することを目的としている。

 本年度の募集は、2024年4月1日(月)~5月14日(火)の期間で行い、46件の応募があった。外部有識者からなる「大学発ベンチャー表彰2024」選考委員会による応募書類の審査および面接審査を経て、大学発ベンチャー8社とその支援大学・支援企業の受賞を決定した。

【受賞者一覧】

文部科学大臣賞

  ベンチャー:キュエル株式会社
 
  支援大学など:大阪大学 量子情報・量子生命研究センター

経済産業大臣賞

  ベンチャー:ソニア・セラピューティクス株式会社

  支援大学など:東北大学 大学院工学研究科
 
  支援企業:平田機工株式会社

科学技術振興機構理事長賞

  ベンチャー:株式会社エキュメノポリス

  支援大学など:早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構 知覚情報システム研究所

新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事長賞

  ベンチャー:AWL(アウル)株式会社

 支援大学など:北海道大学 情報科学研究院

日本ベンチャー学会会長賞

  ベンチャー:トレジェムバイオファーマ株式会社

  支援大学など:京都大学 大学院医学研究科
 
  支援企業:三洋貿易株式会社

アーリーエッジ賞

  ベンチャー:TopoLogic(トポロジック)株式会社

  支援大学など:東京大学 大学院理学系研究科

大学発ベンチャー表彰特別賞

  ベンチャー:プラチナバイオ株式会社

  支援大学など:広島大学 ゲノム編集イノベーションセンター

  ベンチャー:リンクメッド株式会社

  支援企業:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NTTなど、量子コンピュータのシミュレーション性能を劇的に向上させる新しいアプローチを開発

2024-08-30 09:35:02 |    電気・電子工学
 大阪大学大学院基礎工学研究科/量子情報・量子生命研究センターの箱嶋秀昭 助教、NTTコンピュータ&データサイエンス研究所の遠藤傑 准特別研究員、山本薫 研究員、中央大学の松崎雄一郎 准教授、東京大学大学院工学系研究科の吉岡信行 助教は、量子コンピュータにおけるシミュレーション性能を劇的に向上させる新しいアプローチを発表した。

 この方法は、局所性(ある地点で起きた出来事により、遠くの実験結果が直ちに変わることはないという性質)と呼ばれる物理学の基本的な概念を、量子シミュレーションの実用化に応用したものであり、未来の量子技術の実現を大きく前進させるものと期待される。
 
 自然界の複雑な量子現象を解明するために、量子シミュレーションは重要な役割を果たす。

 しかし、現行の量子シミュレーションデバイスは、冷却温度の限界や環境からのノイズといった多くの実験的制約に直面している。

 先行研究において、量子状態間にもつれ測定を実行し、実験的な限界を超える結果が得られる、蒸留と呼ばれる手法が提案されたが、系のサイズが大きくなるにつれて測定回数が指数関数的に増大してしまうという問題を抱えてた。
 
 今回、同研究グループは、着目する局所領域にのみ蒸留する「局所仮想純化法」という手法を提案し、クラスター性と呼ばれる、物理学における基本的な性質が成立するという条件のもとで、測定回数の問題が解決することを理論的に証明した。

 同提案手法は、量子シミュレーション性能を劇的に向上させるとともに、量子シミュレーションの実用化への重要な一歩となるものと期待される。<NTT>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「デジタルの皇帝たち」(ヴィリ・レードンヴィルタ著/みすず書房)

2024-08-29 10:16:53 |    情報工学



<新刊情報>



書名:デジタルの皇帝たち~プラットフォームが国家を超えるとき~

著者:ヴィリ・レードンヴィルタ

訳者:濱浦奈緒子

発行:みすず書房

 テクノロジーと自由を誰よりも愛したサイバーリバタリアンのジョン・バーロウ、人々の信頼を裏切る中央当局を排除するために仮想通貨Bitcoinを世に放ったサトシ・ナカモト、完全な自由市場のはずが「ソ連2.0」へ傾くUberの創設者トラビス・カラニックとギャレット・キャンプ、宇宙にまで手をのばすAmazonの皇帝ジェフ・ベゾス……。これらデジタルプラットフォーム君主たちの野望や、栄光と蹉跌の経済学的メカニズム、そして彼らに抗った人々を、生い立ち・思想・行動の面から、ストーリーとデータで描く。デジタルテクノロジーを駆使する彼らが直面する、中世ヨーロッパやソ連の人々と共通の課題とは?自由のためのプロジェクトが不自由をもたらすのはなぜか、君主への反乱の成否は何が決めるのか、デジタル帝国が強大な力を握ることの問題はなにか・・・。サイバーリバタリアンの理想が生んだ「雲の上の帝国」と、地上の国家の比較から、私たちがコントロールを取り戻す道筋を引きだす希望の書。プラットフォームも、国家も、重要なのは「制度」だ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「会社や社員が犯罪に巻き込まれたときどうする?」(海老谷成臣、林 秀人著/技術評論社)

2024-08-29 10:16:24 |    企業経営



<新刊情報>



書名:会社や社員が犯罪に巻き込まれたときどうする?~小さな事件からITセキュリティまで警察への依頼の仕方~

著者:海老谷成臣、林 秀人 

発行:技術評論社

 会社内で問題が起きたとき、警察に依頼すべきかどうか、現場担当者にとってそれは非常に悩ましいもの。同書は、元警察官がそうした悩みに応えるべく書き下ろされたもの。社員による窃盗、もしくは暴力団などの反社会勢力との対決といった問題から、最近のトレンドであるインターネットセキュリティに関わる問題まで、企業はさまざまな問題に耐えねばなりらない。時流の変化は残酷で過去にうまくいった対処方法も、すぐに陳腐化してしまう。また、新しい技術を使った犯罪は対応しきれるものではない。その中で最も有用で費用もかからない対処方法は問題が起きたら「警察」にお願いすること。企業活動は人間の行動結果の写し鏡。警察にはそうした問題に対応するノウハウが叩き込まれている。同書は、具体的な事例をもとに、どのように警察に依頼すれば効果的なのか、元警察官が自身の経験で得られたさまざまな対処方法からベストなアドバイスを提示する。企業経営における、いろいろな悩みをすっきり解決しよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●理研と北海道大学、冬眠の仕組みの一端を数理モデルで解明

2024-08-29 10:15:50 |    生物・医学
 理化学研究所(理研)数理創造プログラムの儀保 伸吾 特別研究員、黒澤 元 専任研究員、北海道大学 低温科学研究所の山口 良文 教授らの国際共同研究グループは、冬眠を行う哺乳類に見られる大きな体温変動の背後に、信号の周波数を変化させて伝えるFMラジオのように周波数(体温の周期変動)を変化させる仕組みが存在することを発見した。

 哺乳類の中には、食料が限られ気温低下に見舞われる冬を生き延びるために、冬眠を行う種がいる。冬眠中の体温は、環境温度近くまで低下するが、この低温状態が冬眠中ずっと継続するわけではなく、環境温度に近い低温と通常の体温の間を何度も変動する。この大きな体温変動は冬眠の重要な部分だが、その生理学的な意味や制御のメカニズムは十分に理解されていない。

 同国際共同研究グループは、長期かつ高解像度の体温データセットに対応する数理モデルを探索することによって、冬眠中の大きな体温変動が短い周期(数日)と予想外に長い周期(数百日)の相互作用によって支配されており、そうした周期の変動(周波数)が徐々に変化していくこと(周波数変調)を発見した。

 この結論はシリアンハムスターとジュウサンセンジリスという異なる2種類の冬眠動物について導かれた。

 これは複数の冬眠動物において、冬眠中の大きな体温変動の背後に「周波数変調」というシンプルで共通の原理が存在することを初めて示した成果。

 同国際共同研究グループは、動物が冬眠するときの体温変化を詳しく調べモデルを用いて検証する手法を確立した。

 この研究は、今後いろいろな動物がどうやって冬眠するのかを比べたり、冬眠の仕組みに迫ったりする上での手掛かりになる。

 具体的には、体の中の遺伝子やタンパク質が変化した個体を冬眠させた際に、今回の研究で見いだした数理モデルに含まれる細かな設定(短い周期や長い周期など)の値がどのように変化するかを調べることが可能になる。これにより、冬眠の仕組みに関わる遺伝子やタンパク質の発見や、それらの働きの理解が進むことが期待できる。

 今回の研究は、冬眠の際に大幅な体温変動を伴うシリアンハムスターとジュウサンセンジリスで行われた。大型のヒグマやツキノワグマなど、他にも冬眠する動物がたくさんいる。これらの動物の冬眠の際の体温変動パターンを調べる上でも、今回用いたアプローチが有用かどうかの検証も興味深い課題。

 今後さらに研究を進めることで、冬眠中に体の中でどんなことが起こっているのか、また、どうやって冬眠するように進化したのかが解明されることが期待される。<理化学研究所(理研)>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●アストロスケール、JAXAの商業デブリ除去実証フェーズIIの契約を獲得

2024-08-29 10:15:07 |    宇宙・地球
 持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングスの子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担うアストロスケールはこの度、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との間で、大型デブリ除去等の技術実証を目指し実施する商業デブリ除去実証(CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstration)のフェーズIIの契約を締結した。契約額は約130億円。

 CRD2は、JAXAの進めるデブリ除去プログラムを起点に新しい宇宙事業を開拓し、日本企業が新たな市場を獲得することを目指したプロジェクトであり、軌道上にある日本由来のロケット上段を対象に、二つのフェーズで大型デブリへの近傍接近と除去の実証を目指すもの。

 ロケット上段は長期間軌道上に存在していたため、現在の状態が分かる情報が少なく、かつ非協力物体である。

 フェーズⅠでは、このデブリへの接近、近傍制御を行い、デブリの運動や損傷・劣化が分かる画像データを取得した。

 アストロスケールは、2020年1月にCRD2のフェーズIの契約相手方として選定され、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan)」を開発、2024年2月よりミッションを実施している。

 フェーズIIでは、フェーズⅠと同様にデブリへ接近、近傍制御し、さらなる画像データを取得するとともに、デブリ除去として、その捕獲や軌道離脱も行う。

 今後、捕獲機構であるロボットアームを含め、フェーズIIで運用するADRAS-J2(Active Debris Removal by Astroscale-Japan2)の開発を進める。

 フェーズIIにおいては、アストロスケールが現在運用中のADRAS-Jミッションの知見が幅広く活かされる。

 ADRAS-Jは実際のデブリに対して安全な接近を行い、近距離でデブリの状況を調査する世界初の試み。

 具体的には、大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、デブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行っている。2024年2月22日にデブリへの接近を開始して以降、遠距離からの接近や、定点観測、周回観測などに成功している。<アストロスケール>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AI時代のベンチャーガバナンス」(馬渕邦美、丸山侑佑著/日経BP)

2024-08-28 09:44:12 |    企業経営



<新刊情報>



書名:AI時代のベンチャーガバナンス

著者:馬渕邦美、丸山侑佑

発行:日経BP

 ビッグモーターや旧ジャニーズ事務所など、近年世間を騒がせた企業不祥事は、突き詰めればガバナンス(企業統治)の問題とされている。また、一連の問題にはある共通点がある。それは、上場していない企業が多いということ。そうした企業に対するコーポレート・ガバナンスの社会的要請は弱く、それが不祥事の背景にあると考えられる。しかし、未上場のベンチャー企業であっても、不祥事を起こせば会社は成り立たない。昨今の企業不祥事のニュースを目の当たりにして、経営者は自社のコーポレート・ガバナンスについて考え直していることであろう。その際、「ベンチャーに特化したコーポレート・ガバナンスについて知りたい」となれば、同書がお薦め。同書は、未上場企業のコーポレート・ガバナンスについて、国が求める原則、参考になる事例、筆者自身の経験に基づく経営者の考え方など、あなたの「知りたい」が詰まっている。
特筆すべきは、「AI(人工知能)」など先端技術による影響に踏み込んでいること。AIを事業や業務に使うことは増えているが、AIなどを使うと新たな問題が引き起こされる可能性がある。それを経営者は「知らなった」では済まされない時代である。AIはコーポレート・ガバナンスにとって新たなリスクなのである。一方で、AIを使ってコーポレート・ガバナンスを構築する動きもある。不正が行われていないかを調べることに使うほか、取締役会の一員にAIを加える動きも海外では進んでいる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「改訂新版 前処理大全」(本橋智光、橋本秀太郎著/技術評論社)

2024-08-28 09:43:42 |    情報工学



<新刊情報>



書名:改訂新版 前処理大全〜SQL/pandas/Polars実践テクニック~

著者:本橋智光、橋本秀太郎

発行:技術評論社

 BigQuery、Pandas、Polarsを使った実用的なモダン前処理を学ぼう。データ分析において前処理が重要かつ多くの時間をとられる業務であることは広く知られてきた。同時に前処理を実現するためのライブラリは大きく改善されてきている。また、機械学習モデルの進化によって、求められる前処理の内容も変わってきている。同書は、初めて学ぶ方にも、昔学んでから知識をアップデートしていない方にも、悪いサンプルコードと良いサンプルコードを紹介しながら丁寧にデータ分析の前処理を学べる技術書。同書は,第一版の前処理大全から大きく構成や内容を変更している。SQLはBigQuery準拠に変更し、Pandasは最新バージョンの思想に沿い新機能を使ったコードに変更した。Rの代わりにR同様にパイプラインで書きやすく、かつ処理エンジンがRustベースで書かれているため高速なPolarsに変更した。また、前処理内容も大きく変更し、より現在よく使われる処理を実用ケースとともに解説している。また、新たな試みとしてコラムとして少しマニアックだけど役立つプログラムの裏側の解説や分析テクニックを紹介しており、中級者の方にとっても有用な知識を届ける。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする