東海大学(静岡キャンパス)海洋学部水産学科の後藤 慶一教授、および富士通の共同研究グループは、冷凍マグロの重要な品質指標の一つである鮮度について、超音波AI技術を活用することで、冷凍状態のまま非破壊で評価することに世界で初めて成功した。
マグロ産業の成長と国際化は近年急速に加速しているが、冷凍マグロの品質の判別は、マグロの尾の断面を熟練者が目視で確認する尾切り選別をはじめとする破壊的検査が主流であり、検査可能なタイミングや場所、検査者が限定されている。
一方で、超音波を用いて身を切ることなく非破壊で鮮度を検査する手法は、冷凍マグロの肉質による超音波の減衰の影響が大きいことが課題となっていた。
この課題を解決するため、同共同研究グループは、まず冷凍マグロの超音波検査が可能な超音波の周波数帯を発見したのち、正常な検体に比べて鮮度不良の検体では中骨からの反射波が特徴的であるという点に着目し、機械学習を用いて非破壊で鮮度の判定を行うことに成功した。
同研究成果は、マグロの身を切ることなく冷凍マグロの価値を維持しながら、場所を問わず誰でもマグロの品質評価を行うことを可能にし、国際化の進むマグロの流通にトラストをもたらすことが期待される。
両者は今後、マグロの検体数を増やすことで超音波AI技術の精度向上を図るとともに、血栓や腫瘍などの鮮度不良以外の異常検知にも取り組んでいく。さらに、水産加工工場などの現場での実証実験を進めるとともに、冷凍物を扱う畜産業や医療・バイオ分野などへ同技術を幅広く応用する研究を行っていく。<富士通>
マグロ産業の成長と国際化は近年急速に加速しているが、冷凍マグロの品質の判別は、マグロの尾の断面を熟練者が目視で確認する尾切り選別をはじめとする破壊的検査が主流であり、検査可能なタイミングや場所、検査者が限定されている。
一方で、超音波を用いて身を切ることなく非破壊で鮮度を検査する手法は、冷凍マグロの肉質による超音波の減衰の影響が大きいことが課題となっていた。
この課題を解決するため、同共同研究グループは、まず冷凍マグロの超音波検査が可能な超音波の周波数帯を発見したのち、正常な検体に比べて鮮度不良の検体では中骨からの反射波が特徴的であるという点に着目し、機械学習を用いて非破壊で鮮度の判定を行うことに成功した。
同研究成果は、マグロの身を切ることなく冷凍マグロの価値を維持しながら、場所を問わず誰でもマグロの品質評価を行うことを可能にし、国際化の進むマグロの流通にトラストをもたらすことが期待される。
両者は今後、マグロの検体数を増やすことで超音波AI技術の精度向上を図るとともに、血栓や腫瘍などの鮮度不良以外の異常検知にも取り組んでいく。さらに、水産加工工場などの現場での実証実験を進めるとともに、冷凍物を扱う畜産業や医療・バイオ分野などへ同技術を幅広く応用する研究を行っていく。<富士通>