“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「人類と病」(詫摩佳代著/中央公論新社)

2020-05-08 09:33:19 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:人類と病~国際政治から見る感染症と健康格差~

著者:詫摩佳代 

発行:中央公論新社(中公新書)

 人類の歴史は病との闘いだ。ペストやコレラの被害を教訓として、天然痘を根絶し、ポリオを抑え込めたのは、20世紀の医療の進歩と国際協力による。しかしマラリアはなお蔓延し、エイズ、エボラ出血熱、新型コロナウイルスなど、新たな感染症が次々と襲いかかる。他方、現代社会では、喫煙や糖分のとりすぎによる生活習慣病も課題だ。医療をめぐる格差も深刻である。国際社会の苦闘をたどり、いかに病と闘うべきかを論じる。

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●科学技術ニュース●NIMSなど、清酒の製造工程における「におい」データを活用したアルコール度数の可視化の実証実験実施

2020-05-08 09:32:57 |    化学

 吉乃川(新潟県長岡市) 、旭化成、物質・材料研究機構 (NIMS) 、東日本電信電話新潟支店 (NTT東日本) は、清酒が発する「におい」をデータ化し、ICT を活用した「におい」データの分析・活用により、清酒事業者の業務低減や清酒の品質向上に取り組むことにしているが、その第一弾として、製造時の「におい」データからアルコール度数を推定・可視化する実証実験を行う。

 吉乃川では、高品質な清酒を製造するため、発酵過程において、温度やアルコール度数などの各種主要成分の計測や、経験者らが「におい」で発酵の進行具合を確認するなど、日々の発酵状態を細かく把握・分析しており、それらの工程を、効率的かつ衛生的に行うための方法を模索していた。

 一方で、旭化成とNIMSは、「におい」をデータ化するMSS (Membrane-type Surface stress Sensor/膜型表面応力センサー) を用いた嗅覚IoTセンサーを開発し、社会実装に向けた、多種多様な環境下における有効性の実証実験を推進しており、また、NTT東日本は、地域の様々な企業や団体に対して、ICTを活用した課題解決をおこなっている。

 こうした背景を踏まえ、各社が連携し、「におい」データを収集・分析し、ICTを組み合わせることで、清酒製造における「におい」データの有効性を確認する実証実験を実施することとした。

 まずは、日々の管理項目の中でも重要であり、測定に数時間かかるアルコール度数を「におい」データから瞬時に推定し、遠隔で確認できるシステムを構築し、清酒製造時の品質向上と業務低減を目的とした実証実験を行う。(物質・材料研究機構<NIMS>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「人工知能」(開 一夫、中島秀之監修/岩波書店)

2020-05-08 09:32:12 |    人工知能(AI)

 

<新刊情報>

 

書名:〈名著精選〉 心の謎から心の科学へ  第1回 人工知能~チューリング/ブルックス/ヒントン~

監修:開 一夫、中島秀之

発行:岩波書店

 知能の本質は記号処理にあるとする物理記号仮説派の代表としてチューリングを取り上げ、パターン認識あるいはアンチ記号派として、ロボット用の新しいアーキテクチャーを提案したブルックス、人工生命という研究分野を立ち上げたラングトン、深層学習のヒントンの3人を取り上げる。現代日本の関連分野研究者による座談会も併録。 

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