吉乃川(新潟県長岡市) 、旭化成、物質・材料研究機構 (NIMS) 、東日本電信電話新潟支店 (NTT東日本) は、清酒が発する「におい」をデータ化し、ICT を活用した「におい」データの分析・活用により、清酒事業者の業務低減や清酒の品質向上に取り組むことにしているが、その第一弾として、製造時の「におい」データからアルコール度数を推定・可視化する実証実験を行う。
吉乃川では、高品質な清酒を製造するため、発酵過程において、温度やアルコール度数などの各種主要成分の計測や、経験者らが「におい」で発酵の進行具合を確認するなど、日々の発酵状態を細かく把握・分析しており、それらの工程を、効率的かつ衛生的に行うための方法を模索していた。
一方で、旭化成とNIMSは、「におい」をデータ化するMSS (Membrane-type Surface stress Sensor/膜型表面応力センサー) を用いた嗅覚IoTセンサーを開発し、社会実装に向けた、多種多様な環境下における有効性の実証実験を推進しており、また、NTT東日本は、地域の様々な企業や団体に対して、ICTを活用した課題解決をおこなっている。
こうした背景を踏まえ、各社が連携し、「におい」データを収集・分析し、ICTを組み合わせることで、清酒製造における「におい」データの有効性を確認する実証実験を実施することとした。
まずは、日々の管理項目の中でも重要であり、測定に数時間かかるアルコール度数を「におい」データから瞬時に推定し、遠隔で確認できるシステムを構築し、清酒製造時の品質向上と業務低減を目的とした実証実験を行う。(物質・材料研究機構<NIMS>)