先輩のMさんが89歳で亡くなったので、近くに住む長男にお悔やみの電話をした。Мさんは奥様に先立たれ、一人暮らしであった。長男は、電話のお礼のあと、「実は父が2回目の交通事故を起こしたので、免許証を返納してもらいました」と自白するように言った。
Мさんは、祭りや子供たち、そして野鳥などの動画を撮影し、作品をテレビに投稿するのが生き甲斐であった。長男は、父の生き甲斐を奪うことになることを重々分かった上で説得したらしい。その悲しみが、尋ねもしない私への吐露になったのであろう。
熊本市北区 岡田政雄(73) 2020/11/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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