はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

自分との再会

2010-08-31 15:19:43 | はがき随筆
 深夜、大学生の息子の呼び声に目を覚ました。こんな時間に何事と、目をこすりながら息子の部屋へ駆けつけた。息子はパソコンのインターネット画面に向かって喜々としている。
 「お母さんの書いたエッセーが載っている」
 一瞬目を疑ったが、本当だった。「女の気持ち」はインターネットにも収録されていることを知って意欲が倍増した。ネット上では読者のコメントも寄せられ、メディアがグッと身近に感じられた。思わぬことだった。
 先日、朗読の勉強をしている友に会った。小さな録音機を手にしていた。大切な物を取り扱うように録音機はテープルに置かれた。3年前に掲載された「女の気持ち」の作品がその録音機から流れた。インターネットに載っていたのと同じ作品だった。
 読み手は俳優を目指している方で、会の中で一番上手と言われている人だった。私の作品が教材になり、話題になったことも聞かされた。
 この夏、私への一番の贈り物は、時を超えて甦ってきた本欄掲載の「旅する指輪」だった。
  福岡市宇美町 福島雪路(62) 2010/8/31 の気持ち欄掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿