娘夫婦に急用ができ、小学1年の孫が我が家に1泊することになった。夕膳になり、楽しい話題に華が咲き、夜が更けるのも忘れてしまった。眠気に誘われる孫を中に、川の字になって布団に入った。朝、竹やぶから聞こえてくる鶯の鳴き声と、障子越しの朝日に起こされた孫が「この布団は、じいちゃんとばあちゃんのにおいがする」「どんなにおい?」と聞き返した。すると脳裏に、ずっと昔の幼い頃が思い出された。寒村の畑の一軒家で一人住まいをしていた祖母の家に泊まり、優しく抱いて寝かせてくれた。あの時のにおいが蘇り、しばし追憶にふけった。
鹿児島市 春田和美(71) 2007/5/13 毎日新聞鹿児島版掲載
鹿児島市 春田和美(71) 2007/5/13 毎日新聞鹿児島版掲載
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