はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

畑のスイカ 薫る郷愁

2014-08-16 16:14:14 | 岩国エッセイサロンより
2014年8月16日 (土)


岩国市   会 員   横山 恵子

 妹夫婦たち10人余りが集まった時、作り始めて2年目のスイカを味わった。 
 これまで、せっかく食べ頃になってもカラスにつつかれるなど、いろいろあった。
 妹が買ってくれた菜園作りの本を読むと、スイカは植え付け時に水やりをしたら、その後は基本的に必要ないそうだ。やはり知識を得て栽培することは、大切だと思う。
 めいたちが「おいしいよ。買ったのより甘い」と言ってくれ、孫たちも喜んで食べていた。
 スイカといえば、亡き祖父を思い出す。夏休みに入ると、田舎の祖父から「スイカやトマトができたので、泊まりに来るように」という手紙をもらっていた。
 孫たちに食べさせようと一生懸命作ってくれていたのだと、あらためて感謝の思いを抱く。熟れたトマトの匂いは、私にとって故郷そのものだ。 
 スイカは雨が続くと実が割れる。作ってみると、農家の苦労がよく分かる。亡き父が土づくりから始めた畑だ。守っていきたい。
    (2014.08.16 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載

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