はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

街はずれの灯

2009-12-22 22:46:56 | はがき随筆
 ミサが終ると、日はとっぷりと暮れている。
 聖堂のあかりを消して帰るころ、眼下に街はずれの灯が美しい。
 高1のとき、担任が言った。街の灯に胸のときめく者は不良の可能性が高い」
 わたしはときめき組だった。
 また、うつうつとさまよい、歩き疲れて帰る夕暮れ、家々にともるあかりがなつかしく、かなしかった。
 にぎやかに食卓を囲んでいたり、一人で泣いていたり……。
 たくさんのドラマが見えてきて、あかりたちがいとおしくなる。
  鹿屋市 伊地知咲子(73) 2009/12/15 毎日新聞鹿児島版掲載


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