私には、悲しいイメージがつきまとってしまう、ホウセンカの花が数本庭に咲いた。「鳳仙花」という、韓国の悲しい歌を聞いたことがあるからだ。
どうやら、済州島や日本に連れてこられた韓国人たちが、故郷に帰りたいという思いを歌にしたものらしい。赤いホウセンカの花は実になった後、種がはじけて跳ぶ。その実のように遠くはじけて古里にかえりたい、と願ってつくられたという。
庭の枯れたホウセンカの花はついに、実をとばせなかった。
出水の飛行場建設で働かされた韓国の人たちは、戦後、何人、故国へ帰られただろうか。
出水市 小村忍 2016/9/27 毎日新聞鹿児島版掲載
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