はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

時計を相棒に生きる

2016-11-12 14:18:06 | 岩国エッセイサロンより
2016年11月 8日 (火)
   岩国市   会 員   山本 一

 私は、しょっちゅう時計を見ながら生活している。洗面所やトイレにも時計がある。家中の時計を数えてみると、デジタル機器に付属しているものは除いて16個ある。
 このうち、8個は電波時計だ。電波時計を初めて買ったのは13年前である。大変な優れもので、電池がある限り秒針までラジオの時報とぴたり。
 外出時の腕時計は1万円の安物の電波時計だが、もう4年も正確に時を刻む。秒針に至るまで、きっちり合っている。この安心感は一体何なのだろう。
 それにしても、一日に何回時計を見るのだろう。時を追い掛けているのか、追い掛けられているのか、どうも判然としない。
 今が何時なのか、常に確認しながら生活しているのは間違いない。どうやら私の体が、常に時間の確認を要求しているようだ。
 来年は後期高齢者だ。人生の残り時間も知れている。時を気にして、これまで通り時計を相棒として過ごそう。秋の夜長、独り酒しながらふっと思う。

     (2016.11.08 中国新聞「広場」掲載)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿