はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

老老介護

2021-06-11 18:04:38 | はがき随筆
 子らも独立して2人だけの生活になり、家事と家計のやりくりは女房、力仕事と自治会用務めは、男の私が担うという役割分担ができていた。
 ところが大変なことになった。女房が、手の指が変形する関節症にかかったのだ。包丁を持つことやプルタブを引っ張ること、瓶のキャップを回すことも不自由を来すようになった。
 野菜の下ごしらえは私にもできる。しかし、料理の味付けは全くの不得手である。指は不自由でも口達者な奥さまの指導のもと、計量カップを片手に、悪戦苦闘の老々介護の始まりである。
 宮崎市 実広英機(75) 2021/5/21 毎日新聞鹿児島版掲載

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