100歳を迎えられたその方は、鼻からの栄養補給。寝返りも自分ではできないのでお手伝いさせてもらっている。
ある日「今日はいい天気ですよ」などと話しながら、手や足をマッサージしていた時のこと。突然その方の手が私の両ほほを包み込んだ。話しかけても一方通行だと思っていたので、思いもよらぬお返事をいただけたことにうれしさがこみ上げてきた。100年、いろんな事があったであろう、あの手の感触は、私の活力源となった。その人らしい最期を迎えられるように今は私にできることを精いっぱいさせてもらおうと思っている。
熊本市中央区 上田綾香(27) 2020/8/8 毎日新聞鹿児島版掲載
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