いい日旅立ち。本日立春だ。 あの日があって今日がある。東京在住の孫が、長野県へ初出張ときいた。
あの日とは「先へ進めない」 と薬科大へ退学届を出し、実家に戻った日のことだ。娘が孫を私の家へ連れてきた。かねて私は「この子は文系」と感じてい
たので、「俊ちゃん」と名を呼 んで、一発くらわせた。
入り直した文系の大学で充実 した4年を過ごし、事務職とし て採用され、本日の出張だ。
孫に手をあげたのは、終生忘 れ得ない。思い出すと涙があふ れる。あの日があって今がある。 2月は彼の岐路だった。
宮崎市 田原雅子(87) 2021.2.20 毎日新聞鹿児島版掲載
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