どんよりと冷え込んだ寒空の 昼下がりチャイムが鳴った。イ リ ンターホンごしに30年来の友人のお母様のマスク姿が見えた。 隣町とはいえ、90歳になられる その方の足だと20分近くかかる道のりを一人で歩いての来訪だ った。「ご主人様のご容体はい かがですか、白菜漬けが食べごろに漬かりましたので、それとこれもどうぞ」と二つの袋を手渡された。白菜の漬物も、手作 りのあんころ餅もズシリと重かった。1年前、くも膜下出血で倒れ、闘病生活を送っている夫 の大好物。コロナ禍の中、凜としたKさんの優しい励ましが、只々、有難かった。 |
熊本県菊陽町 有村貴代子(74) 2021.1.31 毎日新聞鹿児島版掲載
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