妻の実家は薩摩川内市高江地区にあるが、ご多分にもれず空き家で、年に数回、墓参りや清掃のために帰郷している。家の前には広々とした田んぼがあり、緑の稲が育っている。
時として秋や春、田んぼ一面に霧が立ち込め、幻想的な景色が見られる。今の季節、はかない夢を持って月屋山(160㍍)に登った。早朝7時に登り始めたが、山頂の展望台に着いて河口や甑島が手に届くように見える。残念ながら川内川の霧は皆無だった。地元の人はそれを「川内川あらし」と呼んでいるそうで、晩秋に来て、ぜひ山頂から名物の霧を見たいものだ。
鹿児島市 下内幸一(73) 2022.9.11 毎日新聞鹿児島版掲載