散歩の途中、2人の男子高校生が、町はずれの道路中央で長い棒きれを持って何か相談している。「どうした?」と声を掛けると、蛇がこのままだと車にひかれて死ぬので助けてやりたい、と言う。
見れば、数十㌢ほどの蛇が元気なさそうにじっとしている。高校生たちが心配する通り、車が通ればひかれる位置だ。
相談して道端の雑草の中に移すことにした。棒でつつくが動かない。そこで棒に蛇を引っ掛け、引きずって雑草の中に移した。
高校生たちは「ヘビは好きではないが、とにかく生き物を助けてやろう」という気持ちだったようだ。2人は「ありがとうございました」と言い残して走り去った。
蛇といえば大方の人が避ける。でも、2人は「このままでは車にひかれる」と勇気ある行動を起こした。
新型コロナウイルスの感染拡大で重苦しい日々が続く中、優しい心根の生徒たちに出会い、散歩の足取りも軽く感じた。
岩国市 片山清勝(79)