
受話器を取るやKさんの弾んだ声が。「Hさん、Yさん、私がバイオリン。あなたはハープね。15分ぐらいの演奏をしたいので」。「もう年だから人前では弾きたくない」と断りたかったが「私は11歳も年上よ。年のことは考えないで」となるハズなので口にださなかった。
サンサーンスの白鳥、バッハのプレリュードなど6曲。ぐうたら生活に陥った自分に難曲をこなす練習をやれるだろうか?
しばらく頭をかかえていたが、意を決してハープに向かった。皆と合奏する楽しみと責任感で熱のこもった、質の高い練習になった。やれるかも。
鹿児島市 馬渡浩子 2016/7/6 毎日新聞鹿児島版掲載