はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

蝉の脱皮

2007-07-21 17:51:44 | アカショウビンのつぶやき
 蝉の抜け殻が、庭のあちこちで見られる季節になった。
数日前、地面から10㌢そこそこの石にかじりついた、抜け殻があった。
「なんでこんな危ないところで脱皮したのよ、蟻に襲われたら大変だよ-」と無事に飛び立ったらしい蝉を思いながらつぶやいた。我が家は庭中が、蟻の巣だらけのようで、黒い行列が絶えることがないから。
 今朝は、なんと玄関のタイルで脱皮しようとしたらしい蝉が、無惨にも脱皮途中で蟻に襲われたらしく、抜け殻の横にひっくり返り羽も伸びきらないような形で死んでいた。早速カメラを持ち出して可哀相だけど無惨な姿を一枚。
 そして真っ黒にたかった蟻をやっつけようと、蟻アースをそこら中に振りまいたら、死んでるとばかり思った蝉の足がかすかに動く。
びっくりして今度は水をかけてやったが、やがて動かなくなってしまった。
 こんなに地上近くで脱皮しなくても、適当な木はそこら中にあるものを!
蝉たちまで本能的に備わった生きる知恵や力が失われてきたのだろうか。
何とも切ない朝だった。
 

里帰り・うたのリサイタル

2007-07-21 08:20:00 | アカショウビンのつぶやき






 鹿屋市出身で、アメリカ在住のソプラノ歌手・四元真弓さんの、「里帰り・うたのリサイタル」が、リナシティかのや・市民交流センターホールで開催されました。

同じく鹿屋市出身のピアニスト・佐藤徳子さんの伴奏も素晴らしく、息のあった2人の演奏にしばし時を忘れたひとときでした。
満席で立ったまま応援してくださった方々もありましたが、洗練された美しい歌声に惜しみない拍手が続きました。

 オペラやミュージカル曲、同じ歌詞に違う作曲家が曲をつけた「月の光」などを聞き比べてもらったり、全員で「夏の思い出」を大合唱したり愉しいコンサートでした。
 佐藤徳子さんが、演奏した「Nu bleu for piano」は、ハーヒュース氏が、ピアニスト佐藤徳子さんに捧げた曲。そのエピソードなども紹介されました。

 四元真弓・ハーヒュースさんは、鹿屋高校、武蔵野音大を卒業後渡米。イリノイ州立大学修士課程終了、ルイジアナ州立大学博士課程にて声楽教授法、ドイツ歌曲、フランス歌曲、オペラ等を深く学び、現在はコロラド州アラパフォ短期大学非常勤講師として後進の指導に当たっておられます。

 佐藤徳子さんは、大分県立芸術短期大学卒業、同学音楽専攻科終了後、H17年にポーランド国立クラクフ室内管弦楽団とのピアノコンチェルト共演、大分の「O’未来」のコンサートに毎年参加され、現在は信愛音楽教室の講師をなさっています。

 四元真弓さんのご主人、チャールズ・ハーヒュースさんは、ルイジアナ州立大学博士課程作曲専攻終了後、作曲活動を続け、現在はコロラド州アラパフォ短期大学で教鞭をとっておられます。





 スタッフの一員として参加させていただいた私は、後半しか見られませんでしたが、皆さんの感動が伝わってきて、棒になった足? の疲れも吹っ飛びました。


烏骨鶏

2007-07-21 07:38:20 | はがき随筆
 我が家でかえった烏骨鶏が12年になる。昼は放し飼いで、4羽のひなはそれぞれ個性があって茶の間の話題だった。元気な烏骨鶏も歳月がたてば老化が見られ、視力が弱って餌にくちばしが届かず、何度も空振りする。足を釣り上げて歩くのもいて、ねぐらの箱に飛び上がれず朝夕、上げ下ろしが日課。それでも去年の暮れまで産卵した。もうこれで終わりねと語りながら卵を頂いた。私は新鮮な卵で卵かけご飯が大好き。もう食べられないとあきらめていたのに先日、産卵した。驚いた。「もう頑張らなくていいよ」と言葉をかけながらも卵はうれしい。
   出水市 年神貞子(71) 2007/7/21 毎日新聞鹿児島版掲載