はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

姉からの贈り物

2007-07-09 15:17:18 | はがき随筆
 3月末に姉の三年忌が催された。終わってから、義兄一家が封筒を差し出す。「年金がもらえたから、少しですが何か買って下さい」
 勤め先をリストラされた後、社会保険労務士の資格を取った姉の長男。手始めに61歳で逝った母親の年金を調べてみた。結婚前の職場からの厚生年金と死亡一時金が゛給付されることに。
 思いがけない天国からのプレゼント。記念に何おと決めかねているうちに年金が問題になり、世間をにぎわしている。姉も2カ月申請が遅れたら、失格の憂き目を見るところだったとか。間にあって、私にまでありがとう。
   いちき串木野市 奥吉志代子(59) 2007/7/9 毎日新聞鹿児島版掲載