はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

みそ汁

2006-03-15 12:54:57 | はがき随筆
 帰省した娘たちと久しぶりに鍋を囲んだ時の事。「最後に取りたい食事は何か」という話になり、結局はご飯とみそ汁だろうということになった。
 それでは何のみそ汁がいいかとなり、とっさに二女と私は「豆腐とワカメ」。長女夫婦は顔を見合わせていたが「カニ」と同時に言い、夫はおもむろに「タケノコと菜っ葉」と言った。
 小さいころ母が、かつお節を削り、おみそを加えて湯を注いだ「節茶」を寒い時などに飲ませてくれたのを思い出す。香りとうま味があった。あれも立派なみそ汁で母の味だった。
   霧島市溝辺町 秋峯いくよ(65) 3月15日掲載