kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

二番手銘柄の現状

2023-02-19 07:38:29 | 日記
下馬評では今年は日本株の優位性が高いということでした。2023年の日米欧のGDPは
日本が一番高いという背景がそこにはありました。しかし2023年もほぼ2カ月近く経過
した時点で日米欧の株式市場を比べるともっとも東京市場の動きが見劣りするようです。

ロンドン市場は連日高値を更新しています。ドイツ市場も過去の高値に迫っています。
ナスダック指数はコロナ禍での急騰の反動が今も残り戻りは鈍いですが、ダウは昨年
11月の高値水準近くまで戻しています。

2023年のここまでは日本よりもインフレ率が高くGDPも低いと予想される欧州市場は株
価に関しては日本市場よりもパフォーマンスが良いというのが現実です。日本市場で海
外投資家の買いという場合その額の8割から9割は欧州系のマネーです。米国の投資家は
自国の市場が大きいこともあり海外への投資は欧州が次にきてアジアがその次です。

最近はアジアでも高成長が期待できるインド市場が注目されているようです。残念ながら
日本はアジア地域での投資先の一角という位置づけです。年初からは海外マネーは少し
ずつ日本市場に戻ってきていますが、昨年までの売り越し分の買戻しが一部出ているの
過ぎません。

円安はそれだけ日本の輸出で稼ぐ力が衰えてきたことやエネルギーの海外依存度の高さが
背景にあります。円安頼みの株高の賞味期限が短命だったのは円安は日本経済や企業の
競争力の向上には余り援軍にはならないという事実です。

日本企業の中にも頑張っている企業はあります。しかし近年顕著なのは二番手企業の地盤
沈下です。重電では業界1位の日立は復活を遂げつつあります。しかし東芝は数々の不祥事
などガバナンスの不在もあり成長ストーリーは描けずにいます。今後非公開企業になり再
出発ということになりそうです。非公開化され本当に稼ぐ力を取り戻し再び市場に復帰で
きるか注目されます。

電機ではその他にもソニーの復活と2番手のパナソニックの低迷、自動車業界では業界首位
のトヨタに対して日産やホンダの二番手グループの低迷。日産は拡大路線の躓きや世界で
量産型EVを売り出したパイオニアだったにも拘わらず、テスラにあっという間に引き離さ
れ、BYDなど中国勢の後塵も拝しています。

ホンダも四輪事業の収益率は1%程度で二桁の二輪事業が今や会社の屋台骨を支えています。
今のホンダには画期的な環境エンジンを開発して米国市場で高成長した勢いはありません。
EV市場でホンダらしい姿を取り戻せるのか注目されます。

日本の電機や自動車はかつては製造業の横綱でした。メイド・イン・ジャパンそのものでし
た。業界トップ企業が奮闘してもその業界自体の稼ぐ力が衰えては存在感は低下します。
2番手銘柄の奮闘がカギを握っているようです。

次回の更新は21日を予定しています。
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自動車セクターの賞味期限

2023-02-17 06:03:00 | 日記
米国経済指標に好調な数字が目立ち長期金利は昨年末から上昇しています。FRBの利上
げは5月で打ち止めになるというこれまでのシナリオもやや雲行きが怪しくなってきまし
た。パウエル議長が利上げ継続は経済統計次第という見方をしている限り今後も雇用統
計やCPIなどの結果で右往左往する場面もありそうです。

16日の東京市場では自動車セクターがまとまって物色されました。米国の長期金利上昇
を背景に134円台に乗せた円相場が業績にプラスに働くということなどが材料として考え
られます。自動車セクターは大発会の安値を起点に日経平均が上昇したにも拘わらず戻
りが鈍かったことも出遅れ感から人気が出たようです。

もっとも各社の株価は日銀が突然の金融政策変更で円高とともに売られましたが、16日の
時点では売られる前の水準を回復しました。今後ヤレヤレの売りも予想され上値の重さが
出てくるかもしれません。自動車セクターは景気敏感株という側面もあります。現時点で
は米国経済の大幅な落ち込みは避けられるというも方があります。今年の世界の自動車販
売がどうなるのか、EVへの取り組みなどチェックするべきです。

日本製鉄が好業績を背景に16日も高値を更新しました。バリュー株物色の流れもまだ健在
です。配当利回りが高くPBRが低いというセクターである商社などに自動車セクターも加
わるのか注意して観ていきたいところです。
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オーナー経営光と影

2023-02-16 06:26:53 | 日記
15日の東京市場は円安を材料に自動車セクターに買いが見られました。また日銀総裁が
植田氏に決まりそうなことから緩和政策からの出口が意識され金利上昇で恩恵を受ける
銀行セクターは年初来高値を更新する銘柄が目立ちました。

もっとも膠着感の強い地合いは変わらず2万7500円前後での値動きの範囲内の動きという
流れは3週間程度続いています。日足チャートを見ると陰線を形成する日が多く上値では
売り圧力が強そうです。円安は一定程度の日本株の下支えになっていますが、この程度の
水準では指数を押し上げるには力不足です。

数年前にはオーナー企業の投資は成功確率が高いという流れがありました。即断即決で成
長意欲が高く株価への関心も高いことが投資家に好感されました。もっとも現在はマイナ
ス面ばかりが目立つようです。

楽天グループは三木谷社長兼会長のもとで携帯電話事業に進出しましたが、契約者の減少
や基地局への巨額な投資負担が重荷になり4期連続で最終赤字になっています。EC事業や
金融事業での稼ぎでは携帯事業の赤字が補填できなくなっています。

結果的に借入金は膨らみ資本増強が急務となってきました。完全子会社の証券や銀行の上
場で資本増強を図りたいところですが、市場環境の悪化もあり上場の目途は現時点では明
らかに出来ない状況です。財務改善へ他社からの出資受け入れなども検討する。人員や店
舗の整理などコスト削減や法人需要の開拓などで収益性の改善を急ぐ方針ですが、どこま
で実現性があるのかは不明です。

SBGの孫会長も未公開株ファンド事業に乗り出しましたが、滑り出しは順調でしたが、金
融情勢の変化もあり昨年から一転巨額な赤字に転落しました。世界のユニコーン企業に幅
広く投資するという戦略が今となっては果たして良いタイミングだったのか大きな疑問です。

日本電産の躓きは後継者問題の迷走です。そこに業績悪化が表面化しました。実名こそ挙
げませんでしたが、業績悪化の要因が関前CEOの経営にあったとの発言が永守会長からあ
りました。一代で日本電産を世界的な企業に成長させた手腕は立派ですが、外部から後継
者を連れてきたのも永守氏です。

会社の経営方針との対立があったとしても業績悪化の責任を一手に前社長に押し付けるのは
カリスマ経営者としての晩節を汚すもののように感じます。会社の成長が続いている間はオ
ーナー経営者には賛辞が絶えませんが一旦業績不振に陥るとワンマン体制ゆえに経営者の暴
走を止められないという現実も見えてきます。
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特効薬

2023-02-15 06:08:32 | 日記
市場も予想していなかったシチズンの突然の大幅な株主還元策は手詰まり感のある市場
では大きな注目を集めたようです。13日、発行済み株式総数(自己株式を除く)の25.61%
にあたる7500万株(400億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しました。

大日本印刷が物言う株主対策もあり中期経営計画策定に向けた基本方針を公表し、資本
効率の改善に向け株主還元を強化すると明言したことをキッカケに急騰しPBRが1倍を
大きく下回る銘柄に投資家の注目が集まっていた地合いでこれ以上ない材料を提供しま
した。

東証もPBR1倍割れ銘柄企業には改善をこれまで以上に迫るような政策を打ち出しただ
けに永らく万年割安市場と言われた東京市場でも地殻変動がおきる兆候が出てきました。
第二の大日本印刷やシチズン探しが今年は年間を通して周期的に市場に巡ってくるかも
しれません。

物言う株主の台頭だけでなく機関投資家も個人投資家も持ち株が万年割安株という評価を
覆せない経営陣への苛立ちは募ってきています。政策保有株に対しての風当たりの強さも
ありこれまでの延長線では株主総会を乗り切ることさえできません。上場企業の半分近く
がPBR1倍割れという事態では欧米市場では考えられません。

永くこの状態が続けば買収の対象になったり、経営陣の交代が欧米では当たり前のように
出てきたでしょう。日本企業の持ち合い構造がそれを可能にしていましたが、既に至る所
にほころびが目立ってきました。安定株主の下で大胆な改革を先送りしてきた企業には改
善が待ったなしです。

もっとも大幅な増配や自社株買いは資本効率の短期的な改善には有効ですが、企業が持続
的に成長するためには稼ぐ力を高めなければなりません。成長ストーリーとセットでなけ
れば株高も短期的なものに止まるでしょう。

注目の米CPIは鈍化しましたが、市場予想は上回わりました。インフレの高止まりも警戒さ
れています。一部には3月の0.25%と5月の0.25%それに6月にも利上げにFRBは踏み切るの
ではないかという見方も出ています。市場には年内の利下げ期待がこれまで一定程度ありま
したが、ここにきてFRBが従来示していた利下げは2024年というシナリオに近づいてきた
ようです。

CPIの結果を受けても市場の反応が限定的だったのは事前にある程度予想を上振れるという
見方があったのでそれ程サプライズ感が無かったからでしょうか。ダウは小幅安、ナスダッ
ク指数は小幅高でした。為替が133円台まで円安に進んだことで日経平均は高く始まりそう
です。もっともこの程度の円安では2万8000円手前の水準を超えることは難しようです。
当面は株主還元期待で低PBR銘柄中心に個別物色が続くのでしょうか。

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胸突き八丁

2023-02-14 06:14:04 | 日記
週明け13日の東京市場は一時400円を超える下げでした。終値は100円ちょっと戻しま
したが、ダウの上昇や円安(131円台)への反応は少なかったようです。決算発表も既
に9割が終わり10~12月期の内容がおおむね明らかになってきました。急激な円高への
揺り戻しがあったとはいえ市況の悪化や原材料高で予想外の大幅下方修正に追い込まれ
る企業が続出したので上値の重さは仕方のないことかもしれません。

1~3月期あるいは4~6月期にどこまで景況感が好転するかが注目されます。ゼロコロナ
解除後の中国景気に期待する流れも出ていますが、市場の期待通りの内容にならなけれ
ば一部の日本企業も厳しい状況が続きそうです。まずは1月の大きく落ち込んだ(3割減)
の中国での自動車販売が春節明けにどのくらい回復するか注目です。

自動車産業はすそ野の広い産業です。鉄鋼や化学それに非鉄などの需要にも重要なセク
ターです。中国では個人消費支出の3割を占めているとの見方もある自動車の販売動向は
注目です。1月の販売が振るわなかったのは例年よりも早い春節休暇や自動車に対する補
助金が昨年12月で打ち切られたことが影響しているようです。

株式市場に目を向けると例年のようにここから1か月間が最も需給面で厳しい時期でしょ
うか。セクター別では銀行や生損保それに信託銀行の売り越し基調はまだ続いています。
市場では金利の上昇で債券投資が見直され年金の運用面ではリスクの高い株式の比率を
下げる動きもあるようです。

企業業績が踊り場を迎え下落リスクが高まる局面でどこまでマネーが株式市場に止まるの
か。これまで以上に増配や自社株買いそれに効率経営を目指さなければ日本企業への投資
を繋ぎとめることは出来ません。

海外短期筋による先物売りの増加で下落が続いたり、今度は一気の買戻しで意外高になっ
たり本来の動きとは違う要素で市場が変動する流れにそろそろ終止符を打たなければなり
ません。

米国のCPI発表を控えた今日は米国株高から高く始まりそうですが、その後は様子見ムード
になりそうです。注目のCPIはここにきて中古車価格の上昇などもありこれまでの鈍化傾向
が一服するかもしれません。市場では金利上昇、株安が懸念されます。一方日本株にとって
は金利上昇で円安に振れることも考えられ、そうなると米株安でも一定程度は下落の緩和が
期待できるかもしれません。

いずれにしても2万8000円手前では上値が重く、2万7000割れも視野に入れて今後1ヶ月の相
場を考えるべきかもしれません。コロナ感染が落ち着きつつあるにも拘わらずリ・オープン
銘柄の不人気など東京市場のリード役が当面は見当たらないのが現状です。
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