kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

リバンド継続への壁

2022-02-03 06:25:57 | 日記
取り敢えず日経平均は4営業日続伸して2万7000円半ばまで戻しました。この
まま2万8000円台を回復して仕切り直ししたいところです。その前に待ち構え
ているのが4日の雇用統計です。

米国ではオミクロン株の流行が急増したのは12月中旬でした。外食や旅行業
界への影響が出て雇用情勢にも影響が出たでしょう。雇用者数、失業率、賃
金上昇率などの結果次第では再びFRBが利上げ加速するという懸念が浮上し
ます。この1週間で日米市場とも大きく反発しただけに結果次第では大きく下
押しするかもしれません。

国内ではオミクロン株感染ピークが今週かあるいは来週になるという見通し
が現実のものとなるかどうかです。先に流行した沖縄では足元では1月中旬
のピークから半減しています。

南アなど先に流行した地域でも感染拡大も急激だが減少スピードも早いとい
うデータが出ています。入院患者や重症者は感染のピークから1、2週間程度
は増加傾向だというデータもありますが、際限なく増加するという不安は消
えます。

常に実社会よりも先を読んで動くのが株式市場です。感染が終息に向かえば
次は政府がgo to事業の再開など経済正常化が株式市場のテーマになるかもし
れません。3月から春の観光シーズンがスタートします。それまでにどの程度
感染状況が落ち着くのか経済再開関連銘柄の命運を握っているようです。

決算を受けて大塚商会は大きく売られ値下がり率のトップでした。コロナ禍で
DX関連は人気化しました。しかし2年前の水準まで下げた格好です。テーマ株
買いの賞味期限を見極めるのは至難の業のようです。

2日は日経平均が455円と大幅上昇しました。しかし値下がり率4位にプリマが
5位にカルビー、13位にニチレイが値を連ねました。3銘柄は食品銘柄の中では
比較的高収益で数年前には人気銘柄でした。しかし円安に原材料高が加わり価
格に敏感な消費者に近い食品銘柄には逆風が吹いているようです。

不況に強いというのが食品業界ですが、多くの原料を輸入に頼る食品業界では
企業努力にも限界があります。物流費の上昇も加わり値上げに追い込まれる企
業が続出していますが、消費者が価格に敏感になりNB(ナショナルブランド)
よりも割安な大手スーパーのPB(プライベートブランド)に市場を奪われる懸
念もあります。

ガソリンや灯油、ガス、電気料金なども軒並み大きく上昇しています。生活防
衛から購買頻度の高い食品は厳しい環境が続きそうです。今日はSBGの決算発
表が予定されています。業績はかなり厳しいことも予想されます。これを受け
て孫氏会長がどんな発言をするのか注目されます。
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ようやく決断

2022-02-02 05:30:54 | 日記
セブン&アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店事業会社、そごう・西武を
売却する方向で最終調整に入ったという報道で1日の同社株は10年来高値を更
新しました。もっともこの発表はそれ程意外なニュースではありません。

コンビニ事業のセブンイレブンは元々イトーヨーカ堂が親会社でその子会社の
親子上場でした。しかし当時、収益力も成長期待も強いセブン株はヨーカ堂の
時価総額を超える水準でした。巨額な資金を動かせる投資家がヨーカ堂株の半
分を取得出来ればセブンを支配できる構図でした。

そこでヨーカ堂は持ち株会社の下にコンビニ事業とスーパー事業それに外食事
業をぶら下げる形での経営統合に踏み切りました。一方成長期待の強いコンビ
ニ事業と低迷していたスーパー事業が一緒になったことで市場の評価は低下し
ました。企業価値を上げるには複数の外資系ファンドがコンビニ事業以外を売
却するなり分社化するという要求を会社側に求めたのは自然な形です。

4.4%出資する米バリューアクト・キャピタルはオリンパスに赤字続きのカメラ
事業を売却して主力の医療事業に経営資源を集中させ企業価値を大きく向上さ
せました。またJSRには低採算のエストマー事業を売却して競争力のある半導
体材料事業にシフトさせ企業価値を上げました。

バリューアクトが標的にする企業は競争力のある事業があること。しかし同時
に低収益事業を抱えて市場の評価が低い企業であること。低収益事業を整理し
て経営資源を主力事業に注げば市場の評価が高まること。上記の3社はこの要件
を満たしていました。

もっとも今回明らかになった傘下の百貨店事業会社は2006年に2000億円を投じ
て買収した外様企業です。元々百貨店業界の中では低収益でした。そこにコロ
ナ禍も加わり一層苦境が加わりました。売却対象の一番手として当然の存在で
した。

同じく赤字続きの通販大手のニッセンも買収した企業です。次の売却候補かも
しれません。もっとも外食大手のデニースや祖業のスーパー事業の売却は想定
ハードルが高そうです。コンビニ事業と相乗効果の薄い低収益な事業はすべて
売却するくらい踏み込めるのかが今後の焦点です。

百貨店事業だけの売却に限定されれば市場からの評価は劇的には高まりません。
その他の事業のどのくらいメスを入れられるかが次の焦点です。おそらく海外
ファンドもこの程度では納得しないでしょう。百貨店事業売却は初めの一歩に
なるのかどうか今後も注視していきたいところです。
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森を見ず木を見る

2022-02-01 05:52:30 | 日記
日経平均は27日のザラ場安値の2万6044円が当面の底として機能するのでしょ
うか。週明け31日の東京市場は2営業日続伸し2万7000円を回復しました。1月
相場で大きく売り込まれた成長株に買い戻しが広がったことが、市場に安心感
をもたらしました。

一方メガバンクなど1月相場で堅調だった金融やエネルギー銘柄などバリュー株
の一角は小安い銘柄が散見されました。NYダウやナスダック市場が落ち着く気
配もあり少なくとも今週は堅調な相場が続くかもしれません。

そして決算発表本格化で個別株物色が例年のように繰り広げられそうです。決算
のポイントは製造業では原材料価格の上昇や供給網や物流の混乱によるコストア
ップがどのくらい業績に影響するかです。28日に決算を発表したオムロンは上記
の理由で業績の下方修正に追い込まれました。

また中国のゼロコロナ政策への影響も懸念されます。北京冬季オリンピックだけ
でなく秋の党大会に向けてコロナ対策で都市封鎖や行動制限を続く可能性は高そ
うです。感染力の強いオミクロン株を封じ込められるのか過去の成功体験がゼロ
コロナの方針転換を妨げます。中国でビジネスを積極展開している企業はやはり
何らかの影響を受けそうです。

年明けの市場では金利の上昇からグロース株からバリュー株への動きが堅調でし
た。しかし米国市場では人件費の上昇で大手金融銘柄が市場の期待に届かない決
算から失望売りを浴びました。また建機世界最大手のキャタピラーは原材料高に
加え中国市場での売り上げ減などで冴えない決算でした。オムロンの決算でも明
らかになったように原材料や物流費の上昇などのコスト増と中国市場の変調には
注意が必要です。

一方マイクロソフトやアップルの好決算からこのところ売り込まれたグロース株
には見直し買いが発生しています。もっともこの流れがどこまで続くのかどうか
は今後の市場環境次第です。グロース株にとってFRBがどこまで引き締めを強め
るのか不明です。バリュー株でも製造業は原材料高や物流費の高止まりは今期だ
けでなく来期も懸念されます。

コンテナ市況の高止まりで海運銘柄は今期3度目の上方修正しましたが、その分の
製造業には物流費の高止まりが懸念材料となります。半導体不足の継続やコロナ禍
での部品不足から挽回生産の暗雲が広がっている自動車銘柄の決算が注目されます。
セクター間で業績格差が広がることには注意が必要です。例えばトヨタは堅調でも
ホンダや日産株は上値が重くなるということはあるかもしれません。
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