kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

軋み

2023-03-15 06:56:59 | 日記
14日の東京市場は13日の米国市場で銀行株が下落したことを受けメガバンク中心に銀行
セクターが大きく値を下げました。特にメガバンク3行はいずれも7%を越える大幅安で
相場全体の足を引っ張りました。

3行とも年明けからの上昇分を僅か3営業日で帳消しにしました。緩和政策の変更から金
利が上昇して銀行を取り巻く収益環境が好転するということに加えて時価総額が大きく
PBR1倍を大きく割り込んでいたいたメガバンクはバリュー株物色の筆頭として1月以降
の相場上昇の牽引役でした。

それだけに海外の銀行株安が諸に影響して下落幅が大きくなったようです。またシリコ
ンバレーバンク(SVB)など米銀の相次ぐ破綻が、米欧の中央銀行による利上げの逆風
となってきたという指摘もあり2年債や10年債の利回りは低下しました。背景には今回の
混乱でFRBは今月の政策金利の据え置きを決定するのではないかということもあったよう
です。
為替市場では円高・ドル安傾向が強まったことで機械、電気、自動車など緩和感応度の
高いセクターの下落も目立ちました。このグループは中国景気の回復期待やバリュー株
の側面を持つ銘柄も多くこのところ一本調子で上昇していた銘柄には高値警戒感も出て
いただけに下げ幅も指数に比べて大きくなりました。

結果論ですが、やはり3月相場は大波乱になりました。市場はインフレの行方やFRBの利
上げスタンスには注意を払っていましたが、銀行の破綻ということは全く予想していませ
でした。

FRBの超金融緩和とその後の急激な引き締めが今回の銀行破綻の一因かもしれません。破
綻した銀行はスタートアップ企業から大量に集まった預金を債券運用していました。緩和
局面でスタートアップ企業には必要以上のマネーが流入しました。結果的にはその余剰資
金が債券運用に回りましたが、昨年からの急激な利上げで債券価格は下落し含み損も大き
くなりました。

結果的にFRBの金融政策の負の部分が顕在化した格好です。貸し出しを大きく上回る預金
が集まらなかったなら。インフレ退治で急激な引き締めがなかったなら結果はまた違った
かもしれません。2021年にパウエル議長はインフレは一過性だという見方をしていたこと
で引き締めが遅れ急激な利上げに走らせました。

今日の市場は米国株の反発もあり上昇しそうです。相場の落ち着きで配当取りも支援材料に
なるかもしれません。もっとも3月という期末要因のあり調整終了には時間がかかるかもし
れません。いずれにしても銀行や機械、自動車などのバリュー株相場が変わる可能性もある
かもしれません。JR3社が逆行高したようにインバウンド関連にも資金が向かうかも注目さ
れます。
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