kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

M&Aを考える

2012-08-30 08:36:19 | 日記
ダイキンが同業の空調大手米グッドマンを3000億円で買収すると発表
しました。株価は買収価格の割高さや買収額の大きさから市場は財務
体質の悪化を嫌気して大きく下落して始まりました。もっとも会社側は
新株発行による増資は行わない意向であり株式の希薄化は避けられ
そうです。株価はその後、落ち着きを取り戻し戻り歩調で推移して引け
は76円安の2073円でした。寄り付きは2001円、安値1960円だった訳で
すから下げ渋ったという表現でいいのでしょう。

7月に電通が海外同業を4000億円で買収すると発表した時にも株価は
下落してその後も下値模索を続けていますから連想として売りから入る
投資家が多かったのでしょうか。

企業が多額の内部留保をため込むことには批判もありました。この超
円高では成長戦略として海外企業のM&Aを支持する市場関係者も多
かったと思いますが、実際の海外企業の買収を発表すると割高だの多
額の資金需要で財務内容が悪化するなどと言ってネガティブな反応を
示します。企業側としては資金をため込んでもM&Aに打って出てもネガ
ティブな反応しか返ってこないとすればどんな戦略が市場から好感される
のか答えをあったら教えてほしいくらいでしょう。

M&Aは実行したらお終りではなくどうしたら企業価値を向上させられる
かです。割安で買えればそれに越したことはありませんが、相手だって
少しでも高く売りたい訳です。まして投資ファンドからの買収なら相手は
M&Aの世界ではプロですから買い手の都合の良い条件で交渉が進む
こと事態稀なのかもしれません。

広告業界も空調業界も国内市場の大きな伸びは期待できません。世界
で戦っていくには同業の買収も有効な手段です。その意味では本業との
相乗効果の期待できるこの2社のM&Aは悪くない案件なのではないで
しょうか。後は如何に早く自社の事業と相乗効果を引き出すかです。

M&Aは成功もあれば失敗もあります。パナソニックによる三洋電機の
大型買収は結果から言えば今のところ失敗だと言われても仕方ないで
しょう。もっとも米企業のHPもマイクロソフトもM&Aでは今年多額の減損
処理を伴う失敗をしています。ビジネスにリスクはつきものです。失敗を
恐れていては攻めの経営なんてできません。この2社には市場の評価を
覆すような良い結果を出して欲しいものです。
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