既に「日本丸」では出港準備が行われており、実習生が慌ただしく甲板の上を走り回っている。岸壁には見送りの市民が5,60人とちょっと寂しい...。そんな中に、実習生の家族だろうか、「日本丸」を見上げながら、「前のマストの2番目右側に登るそうだ...」との声が聞こえ、ちょっとして“登檣礼(とうしょうれい)”をやるのかな...、との期待が膨らむ。
午前9時出港準備を終えた「日本丸」の甲板に実習生が整列、「日本丸」はとも綱を外しゆっくりと岸壁から離れると士官の「登檣礼開始!!」の合図で実習生は4本のマストに素足で一斉に登り始める。まさに突然の“登檣礼”...。
雲一つない青空に向かって、次から次と登る実習生はマストから帆げたに渡る...。マストの高さは50m近くにもなり、帆げたの上には身体の小さな女性の実習生の姿も...、ここでは、男性も女性もなく同じ訓練を行うそうだ。
4本のマストの帆げたに配置した実習生は、船首に立つ実習生の「脱帽」、「ごきげんよう~」の号令に合わせ、全員で「ごきげんよう~」と発声しながら帽子を振りこれを3回繰り返される...。
“登檣礼”は皇族らの送迎、司令官や艦長の交代の際や、遠洋航海など壮途に就く船に敬意を表する礼式だったそうだが、現在日本丸や海王丸では出港の際に寄港地に感謝の意を表す儀式として行っているとのこと...。
「日本丸」は大きな汽笛を鳴らしゆっくりと岸壁を離れ、見送る市民からは航海の安全を祈るかのようにいつまでも大きく手を振り続けていた。最終的に見送りに来た市民は約100名ほど...。事前の報道もなかったので仕方はないが、「日本丸」の白い船体と実習生たちの白い征服が晴れわたった青空に映えていただけに多くの市民に見て欲しかった...。それにしても彼らの真剣な表情での取り組み最高!!、感動した...。
ところで、昨夕、「日本丸がイルミネーションを付けてるぞう...」とのメールをもらい、西ふ頭に車を走らせた。何人かのアマチュアカメラマンも三脚を立てファインダーを覘いていたが、このイルミネーション、函館の夜景に彩りを添えているかもしれない...。
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