『折々のことば』4/25

2015-04-25 10:02:52 | 「折々」読んで
4/25は芥川の『侏儒の言葉』から。

『瑣事を愛するものは瑣事の為に苦しまなければならぬ』

鷲田先生は、「幸福になりたいなら、日常の瑣事のうちに
甘露味とともに苦しみを感じなければならない」と芥川は言う、と仰る。

続けて「大上段の原則論は日々の細かなことの機微を見逃す」
「瑣事を笑うものは瑣事につまずく。人生の痛烈なしっぺ返し」とも。

ちょっと待ってよ。

芥川は、瑣事を愛するものは瑣事に苦しむ、という意味を書いているのに
鷲田先生は、瑣事を愛さないから瑣事にしっぺ返しを食うと。
それ、ずれてません?


瑣事も愛せ、と芥川は言う、のかもしれません。
苦しみもあるがそれも愛する事だ・・

けれど、反対にも読めそうですね。

瑣事などを愛するから、つまらないことに苦しまねばならぬ。
つまらないことにこだわるのはお止しなさい、とも。

私はどちらかというと、こちらだと思っていました。

もちろん、瑣事を粗末にしてはいけないと思いますが
芥川が何を発信したかというと、瑣事を見分けてこだわるな、
ではなかったかと思うのです。

瑣事ってのはマイナスの語感をもった言葉ですからね。


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