中野孝次著『中国古典の読み方』日経ビジネス文庫
中に触れてある古典とは
論語、史記、十八史略、老子、荘子、春秋左氏伝・・
それらを部分的に紹介しながら、およそどんな古典か
全体像も感じられるという名人芸です。
古典への誘い。
もちろん中野さんの考えやサリゲナクご自慢も披瀝。
(読み方)とはいえ、どうすれば読めるかハウツー
というものではなく、深い部分に届く「読み方」です。
じつは中野さん、私の好みではありません。
それほど好きな日本語じゃないのです。
考え方も違うところがあるし。
しかし流石に偉いかたはツボの押さえ方が違います。
細かいところはさておき、古典も読まねばという気に
なるから不思議ですね。
○
「若い時分には手も足も出なかった古典の言葉が
年を取るにつれていきいきと・・」
「行き詰ったかに見える西洋文明式社会に対して
最も根源的な処方箋」
などと書いておられます。
短い引用では平凡に聞こえますが、実は奥行きの
深い言葉でもあります。
古来、日本人はかくあるべしと皆が考えていた
それを今は多くの人が忘れている、
もしくは否定しているのです。
「物」ではない「心」だ、
「情報」ではない「姿勢」だ、と説かれます。
昔の人間のほうが人生に直接向かい合う必要があり
その分、思索が深かった、生き方が純粋であった。
そして
「人間は文化の伝統に学んで初めて人間となる」
・・このことを二千五百年前に孔子が言っている
中野さんはこれを言いたいのです。
言われて私は
(そーだよなー)(でも難しーなー)
古典にはさんざん手を出しかけて挫折しています。
「意味ワカラン」「何でこれが良い?」
最後まで読めないのですから情けない。
そんな私でもそろそろ古典か、と思う次第です。
○
中野さんはもう新書は読まないと書いておられます。
そこまで達観はできないけれど、書評とかランキング
とか気にする私ではなくなってきました。
現役じゃないって事ですねえ。
◎
読んでいて、ガーンと殴られた部分があります。
『老子』紹介中
「ぺらぺらしゃべる人で本当に物事を知る人のない」
という部分です。
塾などでの私の仕事
聞きかじり、読み流し、ブログで恥かき・・
これを厳しく指摘された気分です。
もともと、ひとさまの成果を勉強してそれらを
あとの世代に噛み砕いて適宜伝える仕事です。
ところがあたかも自分が考えたかのごとく
威張っちゃったりしていますねえ。
ピタゴラスが偉いのに、三平方の定理を教えて
「どーだ感心するだろう」とかね。
知ったかぶりと言おうか、一つ間違えば落語の
『薬缶』のご隠居です。
あ~あ。
中に触れてある古典とは
論語、史記、十八史略、老子、荘子、春秋左氏伝・・
それらを部分的に紹介しながら、およそどんな古典か
全体像も感じられるという名人芸です。
古典への誘い。
もちろん中野さんの考えやサリゲナクご自慢も披瀝。
(読み方)とはいえ、どうすれば読めるかハウツー
というものではなく、深い部分に届く「読み方」です。
じつは中野さん、私の好みではありません。
それほど好きな日本語じゃないのです。
考え方も違うところがあるし。
しかし流石に偉いかたはツボの押さえ方が違います。
細かいところはさておき、古典も読まねばという気に
なるから不思議ですね。
○
「若い時分には手も足も出なかった古典の言葉が
年を取るにつれていきいきと・・」
「行き詰ったかに見える西洋文明式社会に対して
最も根源的な処方箋」
などと書いておられます。
短い引用では平凡に聞こえますが、実は奥行きの
深い言葉でもあります。
古来、日本人はかくあるべしと皆が考えていた
それを今は多くの人が忘れている、
もしくは否定しているのです。
「物」ではない「心」だ、
「情報」ではない「姿勢」だ、と説かれます。
昔の人間のほうが人生に直接向かい合う必要があり
その分、思索が深かった、生き方が純粋であった。
そして
「人間は文化の伝統に学んで初めて人間となる」
・・このことを二千五百年前に孔子が言っている
中野さんはこれを言いたいのです。
言われて私は
(そーだよなー)(でも難しーなー)
古典にはさんざん手を出しかけて挫折しています。
「意味ワカラン」「何でこれが良い?」
最後まで読めないのですから情けない。
そんな私でもそろそろ古典か、と思う次第です。
○
中野さんはもう新書は読まないと書いておられます。
そこまで達観はできないけれど、書評とかランキング
とか気にする私ではなくなってきました。
現役じゃないって事ですねえ。
◎
読んでいて、ガーンと殴られた部分があります。
『老子』紹介中
「ぺらぺらしゃべる人で本当に物事を知る人のない」
という部分です。
塾などでの私の仕事
聞きかじり、読み流し、ブログで恥かき・・
これを厳しく指摘された気分です。
もともと、ひとさまの成果を勉強してそれらを
あとの世代に噛み砕いて適宜伝える仕事です。
ところがあたかも自分が考えたかのごとく
威張っちゃったりしていますねえ。
ピタゴラスが偉いのに、三平方の定理を教えて
「どーだ感心するだろう」とかね。
知ったかぶりと言おうか、一つ間違えば落語の
『薬缶』のご隠居です。
あ~あ。