「君はFさんと仲が良いそうじゃないか」
小さな会社で1Fに70人くらいが働いていました。
そこで営業本部長から若手に直に話が来ます。
お客さんを湯島で接待するのだが少しだけ遅れる、
自分が行くまでの間、場つなぎをせよ、との
急なお達しです。
子供の使いじゃあるまいし、とは思いましたが
東京の営業本部で一番偉い人からの命令です。
「俺だって仕事がある」と言いたかったですがね。
会社は上野松坂屋の真向かい、行けと言われた料亭は
そこから歩いて数分とは思えない湯島天神の坂下、
当時は知る人ぞ知る割烹でした。
私の懐では入れない店です。
(今も続いているようですがセコさが目立ちます)
Fさんに詫びを申し上げ「すぐに参りますから
何か召しあがってお待ちください」
私が一緒に食べるわけにはいきません。
「仕事の途中で」と断わりを言い
話相手になりました。
幸い本部長が早い目に来たので助かりました。
その間、Fさんはつまみで一献。
肴は何だと思われますか?
「雲丹をくれ。それだけで良い。
後は接待主が来てからだ」
カウンターの向こうから丼鉢に近い大きさの
器が出てきたのには驚きました。
Fさん「うん、雲丹だけ。これでよい」
デパ地下で見かける雲丹の舟が2~3枚は
入っていたでしょう、たぶん。
覗いてみたかった。
隠れた名店として池波正太郎もよく通った
という割烹です。
さて、幾らくらいするもんだか。
小さな会社で1Fに70人くらいが働いていました。
そこで営業本部長から若手に直に話が来ます。
お客さんを湯島で接待するのだが少しだけ遅れる、
自分が行くまでの間、場つなぎをせよ、との
急なお達しです。
子供の使いじゃあるまいし、とは思いましたが
東京の営業本部で一番偉い人からの命令です。
「俺だって仕事がある」と言いたかったですがね。
会社は上野松坂屋の真向かい、行けと言われた料亭は
そこから歩いて数分とは思えない湯島天神の坂下、
当時は知る人ぞ知る割烹でした。
私の懐では入れない店です。
(今も続いているようですがセコさが目立ちます)
Fさんに詫びを申し上げ「すぐに参りますから
何か召しあがってお待ちください」
私が一緒に食べるわけにはいきません。
「仕事の途中で」と断わりを言い
話相手になりました。
幸い本部長が早い目に来たので助かりました。
その間、Fさんはつまみで一献。
肴は何だと思われますか?
「雲丹をくれ。それだけで良い。
後は接待主が来てからだ」
カウンターの向こうから丼鉢に近い大きさの
器が出てきたのには驚きました。
Fさん「うん、雲丹だけ。これでよい」
デパ地下で見かける雲丹の舟が2~3枚は
入っていたでしょう、たぶん。
覗いてみたかった。
隠れた名店として池波正太郎もよく通った
という割烹です。
さて、幾らくらいするもんだか。