一歩上の作文指導

2009-01-06 15:09:30 | 塾あれこれ
進行中の政治課題を作文指導につかうことは現実的で
はないでしょうが、できるなら使ってみたい話が
あります。
いま政治課題になっている消費税率問題です。

昨年、麻生首相が「勇気ある」提言をされました。
将来消費税率を上げる、ということです。
選挙で不利になりそうだが検討を急ぐ政治課題で
あるので触れなければならない、という判断です。

これから本格的な論戦、検討があることですが
近い将来の総選挙でも争点になるでしょう。

政治的な価値観が加わりやすいので生徒たちには
話すこと自体を避けるほうが無難ですけれども
私が良い教材になると思うのは首相が
「将来しかるべき時点の景気の情勢を見て」
という条件をつけた、その点です。

不景気であれば消費税をあげることはしませんから
どうぞ安心して下さいという趣旨です。

これは子供だましの言葉遊び、
よい作文・論文を書こうと勉強中の人たちには
他山の石としてもらいたいことです。

景気が悪ければ、予め条件をつけていようがいまいが
上げられないものです。
それを敢えて言うのは、馬から落ちて落馬する、という
表現と変わりはない意味がない付加条件なのです。

政治的には、一応のテクニックとして使っておられる
のでしょうが、たとえ学習途上の子供でも真似をしては
いけない・・よい教材なのですが。


逆に、景気が良ければ消費税を上げるということですが
景気が良い、もしくは悪くはないというのはどんな数字
のときなんでしょう。

ついこの間まで戦後最長の好景気だったという話ですが
あの程度で上げるのでしょうね。
貧乏人には「どこが好景気?」だったのですが。

消費税のありよう、税全体のありよう、そういうことを
棚上げにして、増税の雰囲気づくりは賛成できません。

若者や子供達にも関わる税制ですから。
ただ、上記の話は塾の時間では話すになじまない
ことでしょうねえ、さすがに。