ほるほる

矢作川のほとりで枝下(しだれ)用水を、
徐福・百済王で中韓日の渡来人伝説を楽しむ
逵(つじ)志保のページです

原田康子『挽歌』を読む

2012-12-08 23:36:45 | シホのホ(雑記帳)
今週の月曜日、慌ただしく横浜での「徐福フォーラムinかながわ2012」にでかけました。
徐福つながりで長く長くお世話になっている八丈島の(このブログにも何度も登場している)Sさんから
「そうそう、前に言ってた本もってきましたよ」と角川文庫の原田康子『挽歌』をいただきました。
開くとそれはもう昭和52(1977)年の印刷のもので、今だったら文字は1.5倍はあるんじゃないかと思うほど、
小さく行間も狭い。
なぜこの本?かというと、息子ワタルが釧路の大学に進学してから、
なにかでSさんと電話でお話ししたとき、
釧路に行くと釧路が舞台になっている『挽歌』を知らなきゃ釧路を知ったことにはならないという風だと
話したら、今度会う時もっていきますよと言ってくださったのでした。

で、今年は結構通勤時間に小説にはまっていたんですが、
読みにくいだろうこの『挽歌』に入ったら・・・いやいやいや、この小説は
昭和30年から1年間、ガリ版刷りの同人誌の連載だったというところからしても
この文字と行間が良いのではないかと思うほど雰囲気があって、
とにかく面白い。
釧路の町というよりも
ワタルのアパートから見える高台の病院、博物館、出会った公園、
橋、川、温泉、ホテル、全てがあそこかと思わせるような小説の舞台で
これはもう釧路という限定を取り払っても最高な1冊なのでした。

どうも解説原田康子著『挽歌』の周辺
などを読むと、挽歌ブームがあったとのこと、わかります!

なんだか物憂げになっているのは、主人公に感情移入してしまって・・・ではなく、
いけないいけない、明日までに論文を仕上げなくてはならなかったのだという現実に戻ったからだったりするのですが、
あと半月もすれば師匠から今年の小説10冊!みたいな解説案内の新聞社の記事の転送が届く時期となりましたが、
ちょっと昔のもの、読んでみようかなという気分にさせてくれた1冊でした。

最後に釧路のワタルは無事にマイコプラズマ肺炎を治し、ゼミの先生と仲間たちについて
タイに出かけていきました。みなさまご心配おかけしました。
ワタルにこの小説・・・わかるかなあ?まだだろうなあ??
コメント
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