やっと秋の兆しが見えてきた。
孫たちが引き上げ、ほっと一息。同時に、疲労の波が押し寄せてきた。
秋蝉の声に促され、歌人の故・河野裕子さんの最終歌集「蝉声」を開いた。
裕子さんが亡くなったのは、平成22年8月12日。享年64歳であった。
歌集「蝉声」は、亡くなる前日まで作り続けていた歌を、夫君と息子、娘の3人の手によって解読、編集されたものであった。
手をのべてあなたとあなたに触れたきに
息が足りないこの世の息が 河野裕子
上掲の歌は、8月11日に作られた最後の作であったとのこと。
涙を禁じえない。