長い道のりを歩いてきた。
今のところ、まだ歩くつもりではいるが、明瞭な道のりは知らされていなかった。だから、 単に惰性で歩いているような一面はあった。
そうだ、そうだ、間もなく誕生日が巡って来る。
誕生日だと言ったところで、特別な感慨も感激もない。が、よくもまあ、飽きずに歩いてきたものだ。
待てよ、ひょっとしたら、一人でとぼとぼ歩くところに、この道のりの価値があるのかもしれないな。
俄然、ファイトが湧いてきた。
猫じゃらし八十路なかばの道ひとり ひよどり 一平
(ねこじゃらしやそじなかばのみちひとり)
生まれるときには裸で一人。
死ぬ時もすべてを置いて一人。
道中も仲間がいるようでも、
家族がいるようでも、
所詮一人・・・・・
初めから一人だと思えば、なんと自由気ままなことでしょう。
ワタシもせいぜい歩こうかと♪
なんら難しいことはないはず。
が、なかなか覚悟が定まらず、卑怯未練に陥ります。
心を入れ替えて、私も歩き始めました。