我が家では、今朝、送り火を焚いた。
お送りした仏様は孫の母親。
「また来年ね」
悲しみはすっかり薄らいだが、送り火の朝ともなると、思いはまた格別だ。
「お陰で孫は順調に成長しているよ」
先日は二、三日かけて、孫娘との二人旅をした。
成長ぶりを見るにつけ、胸奥深くに寂寥感が忍び込んで来る。まことに始末に負えない。
いつまでも遊んでは貰えないしネ。
二人並んで、送り火に手を併せた。
ふりかへりふりかへりして茄子の牛 ひよどり 一平
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しんみり、じわじわと心に沁みるいいお句ですね。
「茄子の牛」という季語斡旋がお見事です。
お孫さんのお母さんといえば、ひよどりさんから言えば、娘さんかお嫁さんでしょうか。
お子達を残して逝かれた心境、また先立たれたひよどりさんの心境を思うと、切ないです。
「ふりかへりふりかへりして」・・・・さぞや心残りでいらしたことでしょう。
しみじみと思いの伝わる素敵な句です。
それにしてもお若くして逝かれたのですね。
孫娘さんと二人旅をしてこられたとは素晴らしいこと。
きっと喜んで見守っておられたのでないでしょうか。
それ以来、いっときの私たち夫婦はこの孫にかかりっぱなしでした。
今はもう、恙なく父娘の生活を営んでおります。
しかし、私たちは、いつまでも卒業出来ないでいるのです。
年をとって来ると、時ぐすりもあまり効かず、厄介なことです。
悲しくもありましたが、息子と孫を丸抱えした生活は子育て時代の再来でした。
とても充実した老後でした。