義兄が死んで、今日が告別式。
午前中はとても寒かった。
脳梗塞で倒れ、意識混濁が10日間ほど続き、他界した。静かな旅立ちであった。
今の時期、火葬場は混み合っているらしく、幾日か待たされた。やはり、人が死ぬのは、季節の変わり目に多いのだろうか。
孫の幾人かが告別式に参列していた。
「おじいちゃん」とのお別れは、悲しそうだった。目を擦っていた姿は痛々しかった。とても印象に残るいい場面でもあった。
私が幼かった頃、「出世前の子供に遺体を見せるものではない」という意見もあったようだ。私もそのように思っていた。
しかし、今回のことで、私の気持ちは変わりそうだ。「死」の厳粛な事実を見せることは、成長過程の子供にとって、意味のあることかもしれない。
決して、「私の遺体を孫に見せろ」と言っているわけではない。わが身に置き換えて考えると、「可哀想かなァ」という思いが強い。
火葬場の経験をさせることには、いささか疑問は残る。いいか悪いか、今の私には判断できない。むしろ、「否」のほうが勝っている。
写真は薔薇の芽。大きな棘に守られ、紅色の芽立ちは美しい。生きる勢いが感じられる。
やはり、春はいい!